神戸大学附属中等教育学校 入試分析 2021年度

2021年の一般適性検査は、新型コロナウイルス感染症対策のため、初の午後からの実施となった。会場は昨年と同じ神戸常盤アリーナだったが、受検生は密を避けるために、受検番号によって入場する時間帯が区切られた。

出願者・受検者ともに昨年より減っており、特に男子の減りが大きかった。神戸大学附属小学校からの内部進学者の実数が減ったことにともない、一般適性検査の募集人数が昨年より微増し、合格者数も昨年より増えたため、実質倍率は男女ともに昨年より下がり、結果として過去最低の倍率であった。

数理探究の難度が顕著に上がったため、できる問題を見極め、手堅く得点することと、数理探究以外の教科でしっかりと得点できたかどうかが鍵となる一般適性検査であった。

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数理探究の出題傾向・対策

例年通り、大問は4題であったが、小問数は20題で去年よりも増加し、難易度も大幅に上がった。大問1は5題の小問集合で、解きにくい問題もあるが、しっかり得点しておきたい。

大問2、3は毎年出題される会話文であった。また、大問2の問3の理由説明は頻出のため、練習を積んでおきたい。大問3は相似を利用する問題であったが、難易度が非常に高く、多くの受検生が苦しんだと予想される。

大問4は数を扱う問題で、ミスなく丁寧に調べる力が試された。大問3、4では毎年出題される、考え方を書く問題であった。普段の学習から考え方の記述や途中式をわかりやすく書く練習をして対策しておく必要がある

神戸大学附属中等教育学校 数理探究分野別出題バランス
中学受験専門 進学塾「進学館」の冬期講習2021

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言語表現の出題傾向・対策

出題形式・文章量ともに昨年から大きな変更は無かった。また、それぞれの大問の序盤は比較的解きやすい問題が並び、最後に幅広い知見や思考力・受検生自身の意見を問われる問題が出題された点も昨年と同様である。

論説文は科学的な思考法に関する文章、物語文は古典的な題材を扱った文章が出題された。古典的な題材はしばしば出題されるため、しっかり対策しておきたい。大問3は、会話文の形式で、コミュニケーションに関する文章が出題された。

大問4は昨年と同様に漢字の書き取り・漢字パズルのみの出題であり、近年の大問4の小問数は減少傾向にあるが、多様な問題に対処できる語彙力は必須である。

神戸大学附属中等教育学校 言語表現分野別出題バランス

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自然環境の出題傾向・対策

  1. 出題内容
    大問数は計3題、内訳は市民社会との共通問題が1題、物理と地学の融合問題が1題、生物が1題であった。
  2. 昨年までとの比較
    様々な資料から必要な情報を見つけ、それを使って思考する力が求められる。例年通り計算やグラフは出題された。記述は減少傾向にあり、計算過程を説明するなど自分の思考を書くことが求められるようになった。共通問題では1つの物事に対しメリットとデメリットを記述する問題が出題された。
  3. 対策
    日頃から表やグラフにふれておくとよい。記述練習は必須である。計算の難度は高くないが、何を求めようとしているのかを問題から読み取る力が必要である。
神戸大学附属中等教育学校 自然環境分野別出題バランス

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市民社会の出題傾向・対策

大問1の理社共通問題は東日本大震災から10年ということで、災害や復興に関する出題がなされた。自分の言葉で答える問題もあるので、日ごろから考える習慣をつけておきたい。

大問2は統計表・グラフを多用した地理の資料問題。資料分析に加え、「6次産業」や「ハブ空港」といった用語を説明させる問題も目立った。典型的な論述問題に多く触れておくことが有効。

大問3の歴史では、問題文から核となる情報を素早く見つけられたかがポイントとなった。

アメリカの黒人抗議運動を題材とした大問4は、与えられた資料を元に、問題を主体的に捉え、自分の意見を発表する力が求められた。

神戸大学附属中等教育学校 市民社会分野別出題バランス
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入試結果:2021年度

男子

  自然環境 市民社会
募集人数 男女あわせて80名
志願者数 253名 29名
受検者数 185名 24名
合格者数 67名 4名
実質倍率 2.76倍 6.00倍
  数理探究 言語表現 自然環境 市民社会 総合点
受検者平均点 48.6/100 71.7/100 64.4/100 57.4/100 238.7/360
合格者平均点 58.9/100 80.9/100 75.6/100 75.3/100 271.9/360
受検者最高点 78/100 98/100 94/100 78/100 302/360
合格者最低点 -/100 -/100 -/100 -/100 256/360

総合点は検査合計に調査書、作文を加えた値です。

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女子

  自然環境 市民社会
募集人数 男女あわせて80名
志願者数 330名 127名
受検者数 282名 116名
合格者数 56名 39名
実質倍率 5.04倍 2.97倍
  数理探究 言語表現 自然環境 市民社会 総合点
受検者平均点 59.5/100 74.7/100 62.4/100 65.1/100 242.5/360
合格者平均点 48.0/100 85.7/100 76.2/100 79.8/100 280.6/360
受検者最高点 80/100 98/100 90/100 98/100 321/360
合格者最低点 -/100 -/100 -/100 -/100 267/360

総合点は検査合計に調査書、作文を加えた値です。

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入試要項:2021年度

募集人数 男女あわせて80名
選抜方法 数理探究・言語表現
自然環境or市民社会
作文
出願期間 11/30 ~ 12/2
検査日程 1/19
合格発表 1/22(掲示・web)
数理探究 100点(50分)
言語表現 100点(50分)
自然環境 100点(50分)
市民社会 100点(50分)
作文 30点(25分)
調査書 30点
総合点 360点(175分)

自然環境・市民社会選択制

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過去の入試結果データ

年  度 選択科目 男子 女子
受検者 合格者 実質倍率 合格者最低点 受検者 合格者 実質倍率 合格者最低点
2017 自然環境 284 70 4.06 247/360(68.6%) 339 64 5.30 256/360(71.1%)
市民社会 47 2 23.50 164 31 5.29
2018 自然環境 304 59 5.15 271/360(75.3%) 364 46 7.91 278/360(77.2%)
市民社会 35 1 35.00 172 20 8.60
2019 自然環境 286 63 4.54 266/360(73.9%) 372 55 6.76 280/360(77.8%)
市民社会 28 3 9.33 147 21 7.00
2020 自然環境 246 61 4.03 275/360(76.4%) 287 46 6.24 284/360(78.9%)
市民社会 34 3 11.33 130 31 4.19
2021 自然環境 185 67 2.76 256/360(71.1%) 282 56 5.04 267/360(74.2%)
市民社会 24 4 6.00 116 39 2.97

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