甲陽学院中学校 入試分析 2019年度

甲陽学院中学校は、今年度も募集定員に対する申込倍率が2倍を超え、関西屈指の人気校健在を示した。

合格者最低点は過去4年間ほとんど変化がないので、一見出題レベルも同様なのかと錯覚するが、毎年特筆すべき点が存在する。

まず、例年受験生を悩ませるハイレベルな理科が、幾分マイルドなものになり、平均点は昨年度より15点近く上昇した。

また、1日目の算数も練習を十分に積んだと思われる雰囲気の出題に偏り高い平均点となったが、そのバランスを保ってあまりあるほど、2日目の算数に解きづらい難問が集結し、多くの受験生が肩を落としたことが想像される。

来年度の対策として、高度な記述力が必要とされる国語への粘り強い取り組みは必須で、算数および理科についても、最高水準の出題がされたときも対応が可能なように、過去問を中心に取り組んでおきたい。

甲陽学院中学校外観写真

甲陽学院中学校
算数の出題傾向・対策

1日目、2日目ともに問題数など形式上の変化はなかったが、例年と大きく変化した点として「難度の差」が挙げられる。

1日目は見た目にも解き進めやすく、実際に平均点も例年より高いものであったが、うってかわって2日目は単元的にも、レベル的にも難しい問題が顔を揃えた。

2日間トータルの平均点が5割程度であることは毎年と大差ないが、両日の平均点の差が20点以上開いたことは記憶にない出来事であった。

速さ、数、立体図形を中心にまんべんなく扱われ、難度順に大問をならべることを意識していないかのような問題配置については、いつもどおりの甲陽らしいところであった。

問題数は他校に比べ、決して多くないので、じっくりと思考の跡を残しながら正解に近づこうとする取り組みを、普段からトレーニングしておきたい。また、過去問は勿論、同レベルの出題がある難関中学校の問題にも積極的に取り組んで、応用力を養っていくべきである。

甲陽学院中学校 算数分野別出題バランス
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甲陽学院中学校
国語の出題傾向・対策

両日ともに随筆文1題と物語文1題の出題。今年度は難解な論説文が出題されず、昨今の甲陽では珍しい形の出題となったが、1題目は例年と同様に論理的な問題が多く、受験生にとまどいはなかったのではないかと思われる。

出題された文章のテーマ、問題内容、記述量、難度に大きな変化はなかったので、甲陽に対しての対策をきっちりとしていた受験生は自分の持っている力をいかんなく発揮できる試験だったと言える。

甲陽の合格を勝ち取るためには、高いレベルの読解力・記述力をつける必要がある。甲陽では似たようなテーマ・問題が出題されることが多いので、文章の内容や問題の解法について暗記するくらい解き直しをする必要がある。

今年度の問題でも、過去と似たタイプの問題が何問か出題されていた。

また、平均点が低めになることが多いので、出題される数は少ないが高い確率で得点できる漢字語句の分野に関してもしっかりと対策をしておくようにしたい。

甲陽学院中学校 国語分野別出題バランス

甲陽学院中学校
理科の出題傾向・対策

  1. 出題内容
    物理2題、化学2題、生物1題、地学1題、大問数は例年通り6題だが小問数が増加した。
  2. 昨年までとの比較
    大問1の生物はグラフの読み取りなどはなかった。大問2の磁石は学校教科書を意識した出題である。大問3の星は基礎的な知識が中心である。受験生はここまで例年と比べてスムーズに解き進めたであろう。
    大問4の燃焼は先入観を捨てて実験結果を理解する必要がある。大問5の運動は甲陽頻出の表からの法則性を読み取る問題であった。大問6も頻出の化学反応に関する問題であった。後半3題が合否を分けたことが想像できる。
  3. 対策
    生物は題意を読み取り表現する練習が必要である。地学は学校教科書の学習を大切にしたい。物理・化学は計算力は当然で、合否を分けるのは整理力である。
    実験手順やデータにある情報を整理すると正解にたどりつける。普段のノート学習で考え方を整理することを心掛けてほしい。
甲陽学院中学校 理科分野別出題バランス
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甲陽学院中学校
入試結果:2019年度

募集人数 200名
志願者数 411名
受験者数 393名
合格者数 220名
実質倍率 1.79倍
  算   数 国   語 理   科
受験者平均点 1日目 63.8/100 56.9/100 62.8/100 -/500
2日目 40.3/100 60.8/100
104.1/200 117.7/200 62.8/100
合格者平均点 122.6/200 125.2/200 67.6/100 315.4/500
合格者最高点 181/200 169/200 90/100 413/500
合格者最低点 -/200 -/200 -/100 280/500

※スマートフォンは横スクロールでご覧ください。

甲陽学院中学校
入試要項:2019年度

募集人数 200名
選抜方法 算・国・理
出願期間 12/25 ~ 1/5
試験日程 1/19・1/20
合格発表 1/21(掲示)
  1日目 2日目
算   数 100点(55分) 100点(55分)
国   語 100点(55分) 100点(55分)
理   科 100点(55分)
合   計 500点(275分)

甲陽学院中学校
大学合格実績:2018年度

高校卒業生:194名

国公立大学への合格者数

東京大(現役)    27(19)
京都大(現役)   43(25)
大阪大(現役)      21(13)
神戸大(現役)   24(14)
大阪市立大(現役) 11 (5)
大阪府立大(現役)  6 (2)

私立大学への合格者数

早稲田大(現役) 13 (3)
慶應義塾大(現役) 25 (1)
関西学院大
関西大
同志社大(現役) 44 (3)
立命館大

甲陽学院中学校
過去の入試結果データ

年  度 受験者 合格者 実質倍率 合格者最低点
2015 317 215 1.47 262/500(52.4%)
2016 382 220 1.74 271/500(54.2%)
2017 369 219 1.68 276/500(55.2%)
2018 402 222 1.81 273/500(54.6%)
2019 393 220 1.79 280/500(56.0%)

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