2019年度の啓明学院中学校の入試は、A、B両方式、男女とも、ここ数年において特に狭き門となった。同校の高い人気ぶりが伺える。
A方式の女子は実質倍率が2.01倍と、かなり高い数字となった。
さらに、B方式では男女とも受験生が増加した一方で合格者が絞られ、実質倍率は、なんと男子は2.96倍、女子は3.52倍と大きく増加している。
この傾向が来年以降も続くかどうかはわからないが、啓明学院を第一志望として合格したい人は、できる限りA方式で合格しておきたい。
そのためには、算数・理科では長いリード文、国語ではオリジナルの文章と自由記述といった、他の学校では見られない独特の形式に、過去問や予想問題を通じて、十分に慣れておきたい。
啓明学院A方式の大きな特徴は長いリード文から始まることである。
今年度は問題用紙2枚にわたる33行もの長文でスペインが紹介されていた。文中に出てくる言葉に関する問題が出題されるが、数値を利用しなければならない問題もあるので、軽くでも全文目を通すほうが良い。
出題分野は例年と比べて大きな変化はなく、計算、割合とグラフ、水量変化とグラフ、平面図形と立体図形の求積、図形の移動、規則性の問題が出題された。
その他、速さとグラフの問題等が頻出単元である。B方式にはリード文はないが、頻出単元はA方式と良く似ている。
合格へ向けて、計算の鍛錬はもちろん、割合、グラフ、図形全般といった頻出単元の対策を十分に行うことが必要である。
また、グラフの問題は自分でグラフをかく問題が出題されるため、普段から慣れておくことが望ましい。
解答用紙には途中の式や考え方をかく必要があるため、普段の学習からその癖をつけておきたい。過去問や予想問題で独特の形式に十分に慣れておこう。
A方式…物語文1題。その中で漢字の書き取りが10問、グラフを用いた50字の自由記述が1問出題されている。
B方式…物語文1題と知識問題を集めた大問が2題の計3題が出題されている。
物語文の1題には、漢字の書き取り10問と文章の内容に関連した400字以内の自由作文1問を含んでいる。
出題形式は例年通りだったが、A方式では記述量の多かった昨年度に比べて記述と抜き出しの問題数がほぼ均等に割り振られた。
A方式・B方式ともに、副詞をあてはめる空欄補充問題が例年出題されているので、普段から用言との結びつきを意識して学習する必要がある。
また、両方式ともに自分の意見を書く自由作文が出題されているため、A方式では自分の考えを端的にまとめる練習を、B方式では作文用紙の使い方も確認した上で、400字以内で自分の考えを詳しく説明する練習をしておかなければならない。
特にB方式のように使用する語句が指定されている場合はその意味をよく考えたうえで記述に入れ込む必要がある。
男子
A方式 | B方式 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
募集人数 | 60名 | 20名 | |||||
志願者数 | 95名 | 168名 | |||||
受験者数 | 92名 | 83名 | |||||
合格者数 | 69名 | 28名 | |||||
実質倍率 | 1.33倍 | 2.96倍 |
A方式:帰国・シンガポール入試受験生を除く
A方式 | B方式 | |||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
算 数 | 国 語 | 理 科 | 計 | 算 数 | 国 語 | 計 | ||||||||||||||
受験者平均点 | -/100 | -/100 | -/50 | -/250 | -/100 | -/100 | -/200 | |||||||||||||
合格者平均点 | -/100 | -/100 | -/50 | -/250 | -/100 | -/100 | -/200 | |||||||||||||
受験者最高点 | 100/100 | 89/100 | 40/50 | -/250 | 97/100 | 96/100 | -/200 | |||||||||||||
合格者最低点 | -/100 | -/100 | -/50 | 167/250 | -/100 | -/100 | 144/200 |
女子
A方式 | B方式 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
募集人数 | 60名 | 20名 | |||||
志願者数 | 155名 | 209名 | |||||
受験者数 | 151名 | 116名 | |||||
合格者数 | 75名 | 33名 | |||||
実質倍率 | 2.01倍 | 3.52倍 |
A方式:帰国・シンガポール入試受験生を除く
A方式 | B方式 | |||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
算 数 | 国 語 | 理 科 | 計 | 算 数 | 国 語 | 計 | ||||||||||||||
受験者平均点 | -/100 | -/100 | -/50 | -/250 | -/100 | -/100 | -/200 | |||||||||||||
合格者平均点 | -/100 | -/100 | -/50 | -/250 | -/100 | -/100 | -/200 | |||||||||||||
受験者最高点 | 98/100 | 96/100 | 44/50 | -/250 | 99/100 | 93/100 | -/200 | |||||||||||||
合格者最低点 | -/100 | -/100 | -/50 | 182/250 | -/100 | -/100 | 148/200 |
A方式 | B方式 | ||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
募集人数 | 120名 | 40名 | |||||||||||
選抜方法 | 算・国・理・体力テスト | 算・国(作文含む) | |||||||||||
保護者同伴面接 | |||||||||||||
出願期間 | 12/19 ~ 1/11 | ||||||||||||
試験日程 | 1/19 | 1/21 | |||||||||||
合格発表 | 1/20(掲示) | 1/22(掲示) |
A方式 | B方式 | |||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
算 数 | 100点(50分) | 100点(60分) | ||||||||||
国 語 | 100点(50分) | 100点(60分) | ||||||||||
理 科 | 50点(30分) | ― | ||||||||||
合 計 | 250点(130分) | 200点(120分) |
高校卒業生:231名
商学部 | 33 | 理工学部 | 11 |
---|---|---|---|
経済学部 | 35 | 国際学部 | 16 |
法学部 | 20 | 文学部 | 21 |
社会学部 | 34 | 人間福祉学部 | 16 |
総合政策学部 | 28 | 教育学部 | 8 |
合計 | 222 |
京都大 | 1 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
早稲田大(現役) | 4 (1) | ||||||||
同志社大 | 2 |
男子 | A方式 | B方式 | |||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
受験者 | 合格者 | 実質倍率 | 合格者最低点 | 受験者 | 合格者 | 実質倍率 | 合格者最低点 | ||||||||||||||||
2015 | 80 | 59 | 1.36 | 156/250(62.4%) | 81 | 46 | 1.76 | 136/200(68.0%) | |||||||||||||||
2016 | 69 | 60 | 1.15 | 164/250(65.6%) | 47 | 26 | 1.81 | 153/200(76.5%) | |||||||||||||||
2017 | 82 | 63 | 1.30 | 148/250(59.2%) | 70 | 38 | 1.84 | 134/200(67.0%) | |||||||||||||||
2018 | 95 | 69 | 1.38 | 142/250(56.8%) | 78 | 35 | 2.23 | 128/200(64.0%) | |||||||||||||||
2019 | 92 | 69 | 1.33 | 167/250(66.8%) | 83 | 28 | 2.96 | 144/200(72.0%) |
女子 | A方式 | B方式 | |||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
受験者 | 合格者 | 実質倍率 | 合格者最低点 | 受験者 | 合格者 | 実質倍率 | 合格者最低点 | ||||||||||||||||
2015 | 115 | 79 | 1.46 | 170/250(68.0%) | 97 | 47 | 2.06 | 149/200(74.5%) | |||||||||||||||
2016 | 120 | 83 | 1.45 | 180/250(72.0%) | 86 | 43 | 2.00 | 154/200(77.0%) | |||||||||||||||
2017 | 100 | 73 | 1.37 | 160/250(64.0%) | 78 | 48 | 1.63 | 137/200(68.5%) | |||||||||||||||
2018 | 109 | 76 | 1.43 | 151/250(60.4%) | 83 | 41 | 2.02 | 133/200(66.5%) | |||||||||||||||
2019 | 151 | 75 | 2.01 | 182/250(72.8%) | 116 | 33 | 3.52 | 148/200(74.0%) |
中学入試分析会資料 申込受付中
当サイトに掲載している分析レポートを無料で進呈!
進学館の分析動画と入試の解答・解説がダウンロードできる特典もございます。この機会にぜひお申し込みください。
※進学館の講座を受講いただいている方は申込不要です(オンライン講座のみ受講生は除く)。