神戸海星女子学院中学校の今年度の入試における大きな変更点は、A日程で3教科型の受験が可能になったことである。
4教科型で国算理や国算社の得点の良いものを採用してもらえることが影響してか、昨年度の実質倍率1.20倍から、今年度は1.56倍に大きく倍率が上がった。合格者最低点はA日程で218.6点(360点満点)とここ数年にはない高いラインとなった。
各科目に注目すると、これまで難度の高かった社会が取り組みやすい問題へ変わったと言える。これは3教科型で受験可能になったことが大きく影響している。また、神戸海星に頻出のテーマは引き続き意識が必要で、算数の図形問題、国語の時代背景の古い文章、理科の生物や社会のグラフ・統計の読み取りといった内容は演習を重ねておきたい。
問題用紙3枚で、考え方や式も同じ用紙に書き込む形式は例年通りである。
大問1は計算1問を含む5、6問の小問集合となっており、ここだけは空欄補充の形式となっている。
最大の特色は図形の出題割合の高さにある。立体図形、平面図形の基本的な問題に加えて、点の移動や図形の移動、水量変化のグラフ、線対称・点対称に絡めた問題等、出題様式が多岐に渡る。
また、最近は数の範囲に関する出題も増えている。大問2以降は単位の記載も求められるので、「以上」「以下」「より大きい」「より小さい(未満)」のどれを使うのが正しいか、自分で選び取る力が必要である。明確な理由で判断できるようにしておきたい。
A日程は昨年度と同じく、論説文と物語文が1題ずつという文章2題の構成であった。
例年と違って記述問題が一つもなく、抜き出し問題についても字数の短いものが多かったため、全体的に記述量の少ないものとなった。
B日程は物語文1題、論説文1題の構成であり字数の多い記述も出題されているが、最後の問題は例年のような150字で自分の意見をまとめるものではなく、100字程度で文章の要旨をまとめるものだった。
両日程とも多少の変更はあったものの、本文の文章量が多いことには変わりがないため、短時間で長文を読み内容を理解したうえで、問われていることを把握し記述をまとめきる力が必要となる。
今年度から社会を受験しないという選択ができるようになった。そのためか、毎年非常に難度の高い問題が出題されていたが、今年度は昨年度までに比べて取り組みやすい問題が出題されていた。
しかし、グラフ・表・図などが多く出題され、そこから「考えて」解答していかなければいけないという今までの特徴は続いている。取り組みやすくなったといえども今まで通り、正解すべき問題を確実に正解させていくということが必要になる。
普段から、「なぜこうなったのか?」を意識して学習を進めていくことが大切になる。
募集人数 | 100名 |
---|---|
志願者数 | 167名 |
受験者数 | 156名 |
合格者数 | 100名 |
実質倍率 | 1.56倍 |
算 数 | 国 語 | 理 科 | 社 会 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|
受験者平均点 | 55.0/100 | 71.2/100 | 51.3/80 | 52.2/80 | 231.3/360 |
合格者平均点 | 65.0/100 | 75.6/100 | 54.6/80 | 54.4/80 | 254.7/360 |
受験者最高点 | 100/100 | 94/100 | 67/80 | 71/80 | 318.9/360 |
合格者最低点 | -/100 | -/100 | -/80 | -/80 | 218.6/360 |
募集人数 | 20名 |
---|---|
志願者数 | 119名 |
受験者数 | 117名 |
合格者数 | 43名 |
実質倍率 | 2.72倍 |
算 数 | 国 語 | 計 | |
---|---|---|---|
受験者平均点 | 66.0/100 | 66.5/100 | 132.5/200 |
合格者平均点 | 80.9/100 | 76.9/100 | 157.8/200 |
受験者最高点 | 97/100 | 91/100 | 181/200 |
合格者最低点 | -/100 | -/100 | 145/200 |
A日程 | B日程 | |
---|---|---|
募集人数 | 100名 | 20名 |
選抜方法 | 算・国・理(・社) | 算・国 |
出願期間 | 12/21~ 1/15 | |
試験日程 | 1/19 | 1/20 |
合格発表 | 1/21(掲示) |
A日程 | B日程 | |
---|---|---|
算 数 | 100点(50分) | 100点(50分) |
国 語 | 100点(50分) | 100点(50分) |
理 科 | 80点(40分) | ― |
社 会 | 80点(40分) | ― |
合 計 | 360点(180分) | 200点(100分) |
高校卒業生:146名
東京大 | 1 |
---|---|
京都大(現役) | 6 (6) |
大阪大(現役) | 15(14) |
神戸大(現役) | 10 (8) |
大阪市立大(現役 | 5 (5) |
大阪府立大(現役) | 4 (2) |
早稲田大(現役) | 11(10) |
---|---|
慶應義塾大(現役) | 2 (1) |
関西学院大(現役) | 62(56) |
関西大(現役) | 20(18) |
同志社大(現役) | 53(42) |
立命館大(現役) | 39(31) |
年 度 | A日程 | B日程 | ||||||
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受験者 | 合格者 | 実質倍率 | 合格者最低点 | 受験者 | 合格者 | 実質倍率 | 合格者最低点 | |
2015 | 157 | 107 | 1.47 | 178/360(49.4%) | 78 | 37 | 2.11 | 112/200(56.0%) |
2016 | 150 | 106 | 1.42 | 165/360(45.8%) | 100 | 44 | 2.27 | 108/200(54.0%) |
2017 | 117 | 99 | 1.18 | 173/360(48.1%) | 92 | 33 | 2.79 | 111/200(55.5%) |
2018 | 124 | 103 | 1.20 | 168/360(46.7%) | 85 | 41 | 2.07 | 117/200(58.5%) |
2019 | 156 | 100 | 1.56 | 218.6/360(60.7%) | 117 | 43 | 2.72 | 145/200(72.5%) |
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