2019年度の須磨学園中学校の入試は、第1回から第3回まで全日程を通じて受験者数が昨年度より増加した。実質倍率3倍前後は4年ぶりの水準で、非常に狭き門となった。須磨学園中学志願者の受け皿として夙川中学ができたことも一因と考えられるが、平均点などを見ると学力の高い志願者が増えていることがうかがえる。
全日程で合格者最低点が昨年度より高くなり、点を取りきれるように仕上げられたかどうかが合否を分けた。
問題形式は全科目で昨年度を踏襲しており、難度において第1回では本命として受験する志願者に対する配慮が見られた。
今後も人気校として注目を集めていく須磨学園中学を志望するためには、高倍率の中で競っていく覚悟と早めの準備、特に大学入試改革を視野に入れた本質を捉えた学習が必要となる。
問題形式は例年通りの大問5題。大問1は計算問題、大問2は小問集合、大問3以降は1つのテーマを掘り下げて考えていく誘導形式の問題。第2回までは昨年度より難度の高い問題が増えた印象だが、受験者平均点は高く、受験生のレベルが上がっていると思われる。
大問2までのロスをできる限り減らし、大問3以降も半分以上正解させ、150点満点中100点以上を取ることが必須。
場合の数など大学入試改革にあわせた目新しい設定の問題にも対応を要する。
過去問を通して典型的な問題の解法を身につけるのはもちろん、思考力を要するタイプでも条件整理をしながら解き進める練習を積んでおきたい。
今年度も昨年度より変更された出題形式を踏襲し、大問1が論説文、大問2が随筆文という大問2題の構成である。須磨学園の特徴は、記号選択問題と長文記述問題で構成されていることだ。今年度も各大問の前半で記号選択問題が多く出題された。
しかし、例年大問1 題につき1問出題されていた100~120字の長文記述が、今年度の第1回では大問2に1問出題されただけだったので、記述量の減少が見られた。第2回、第3回では全体的な記述量に変更はなかった。
以上のことから、須磨学園を受験するには選択肢を正確に選ぶ力と長文記述を書く力を身につけておく必要がある。
第1回と第2回の両日程において、問題数が40問弱であり、昨年度から減少した。40分という試験時間から逆算すると、1問につき約1分ペースで取り組むことになるが、随所に難問が存在することを踏まえると、標準問題を素早く解き切るスピードと正確性が要求された。
様々な分野から出題されるが、特に地理と歴史からの出題が多くなっているため、地理と歴史の基本知識は早期に完成させて、得点源としたい。また、各分野の基本知識を土台にしたうえで、理由説明を求める論述問題やグラフ、地図、写真、歴史史料を交えた問題が出題されるため、日頃から過去問等を活用して対策することが有効である。
第1回 | 第2回 | 第3回 | ||
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募集人数 | A80名 B40名 | |||
志願者数 | 268名 | 481名 | 497名 | |
受験者数 | 262名 | 470名 | 479名 | |
合格者数 | B | 23名 | 33名 | 39名 |
A | 67名 | 118名 | 126名 | |
実質倍率 | 2.91倍 | 3.11倍 | 2.90倍 |
算 数 | 国 語 | 理 科 | 3科 | 社 会 | 4科 | ||||||||||||||||
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受験者平均点 | 93.3/150 | 84.5/150 | 60.4/100 | 238.2/400 | 64.7/100 | 308.3/500 | |||||||||||||||
合格者 平均点 |
B | 122.6/150 | 105.6/150 | 75.3/100 | 303.5/400 | 90.0/100 | 370.0/500 | ||||||||||||||
A | 110.0/150 | 92.9/150 | 67.2/100 | 270.0/400 | 65.8/100 | 332.7/500 | |||||||||||||||
合格者最高点 | 142/150 | 126/150 | 90/100 | 342/400 | 93/100 | 371/500 | |||||||||||||||
合格者最低点 | 85/150 | 67/150 | 43/100 | B 294/400 | 44/100 | B 368/500 | |||||||||||||||
A 260/400 | A 325/500 |
算 数 | 国 語 | 理 科 | 3科 | 社 会 | 4科 | ||||||||||||||||
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受験者平均点 | 91.4/150 | 94.8/150 | 59.1/100 | 245.2/400 | 62.2/100 | 315.3/500 | |||||||||||||||
合格者 平均点 |
B | 120.9/150 | 113.6/150 | 71.1/100 | 305.6/400 | 77.0/100 | 382.5/500 | ||||||||||||||
A | 106.8/150 | 106.7/150 | 63.7/100 | 277.2/400 | 67.5/100 | 345.9/500 | |||||||||||||||
合格者最高点 | 147/150 | 138/150 | 89/100 | 336/400 | 91/100 | 399/500 | |||||||||||||||
合格者最低点 | 68/150 | 77/150 | 47/100 | B 296/400 | 48/100 | B 370/500 | |||||||||||||||
A 270/400 | A 338/500 |
算 数 | 国 語 | 理 科 | 算国計 | 算理計 | ||||||||||||||||
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受験者 平均点 |
算国型 | 99.8/150 | 86.1/150 | - | 182.6/300 | - | ||||||||||||||
算理型 | - | 92.9/150 | - | 198.5/300 | ||||||||||||||||
合格者 平均点 |
B | 122.5/150 | 115.7/150 | 119.5/150 | 234.8/300 | 245.0/300 | ||||||||||||||
A | 113.2/150 | 101.2/150 | 100.0/150 | 212.3/300 | 215.5/300 | |||||||||||||||
合格者最高点 | 144/150 | 137/150 | 149/150 | 256/300 | 292/300 | |||||||||||||||
合格者最低点 | 74/150 | 69/150 | 76/150 | B 234/300 | B 234/300 | |||||||||||||||
A 209/300 | A 209/300 |
Topic:連続受験時の加点について
第1回+第2回受験→第2回に5点加算/第2回+第3回受験→第3回に5点加算
第1回+第3回受験→第3回に7点加算/第1回+第2回+第3回受験→第3回に10点加算
第1回 | 第2回 | 第3回 | ||||||||
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募集人数 | A80名 B40名 | |||||||||
選抜方法 | 算・国・理(・社) | 算・国or 理 | ||||||||
出願期間 | 1/8 ~ 1/17 | 1/8 ~ 1/20 | ||||||||
試験日程 | 1/19 | 1/20 | 1/20午後 | |||||||
合格発表 | 1/20 (掲示・web) |
1/21 (掲示・web) |
第1回・第2回 | 第3回 | ||||||||
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算数 | 150点(60分) | 150点(60分) | |||||||
国語 | 150点(60分) | 150点(60分) | |||||||
理科 | 100点(40分) | 150点(60分) | |||||||
社会 | 100点(40分) | - | |||||||
合計 | 500点(200分) | 300点(120分) |
第3回は国語・理科選択制
高校卒業生:384名
東京大(現役) | 2(2 | ||||||||
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京都大(現役) | 17(9 | ||||||||
大阪大(現役) | 18(17 | ||||||||
神戸大(現役) | 33(26 | ||||||||
大阪市立大(現役) | 5(5 | ||||||||
大阪府立大(現役) | 16(15 |
早稲田大(現役) | 16(11 | |||||||||
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慶應義塾大(現役) | 7 (5 | |||||||||
関西学院大(現役) | 85(77 | |||||||||
関西大(現役) | 57(34 | |||||||||
同志社大(現役) | 97(74 | |||||||||
立命館大(現役) | 82(62 |
第1回入試のみのデータです。
年度 | 受験者 | 合格者 | 実質倍率 | B合格者最低点 | A合格者最低点 | ||||
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合格者 | 3科 | 4科 | 合格者 | 3科 | 4科 | ||||
2015 | 187 | 70 | 2.67 | 23 | 296/400(74.0%) | 370/500(74.0%) | 47 | 272/400(68.0%) | 340/500(68.0%) |
2016 | 184 | 84 | 2.19 | 23 | 296/400(74.0%) | 370/500(74.0%) | 61 | 262/400(65.5%) | 328/500(65.6%) |
2017 | 223 | 87 | 2.56 | 20 | 284/400(71.0%) | 355/500(71.0%) | 67 | 257/400(64.3%) | 322/500(64.4%) |
2018 | 226 | 82 | 2.76 | 21 | 289/400(72.3%) | 362/500(72.4%) | 61 | 248/400(62.0%) | 310/500(62.0%) |
2019 | 262 | 90 | 2.91 | 23 | 294/400(73.5%) | 368/500(73.6%) | 67 | 260/400(65.0%) | 325/500(65.0%) |
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