昨年と比べて受験者数は減少し、実質倍率も約1.55倍と過去5年間において最も低かった。しかしながら、合格最低点は過去5年の中では最も高く、500点満点中301点と、2014年以来の6割越えとなった。3教科それぞれの合格者平均点も昨年と比べ、算数が6.3点、国語が6.3点、理科が8.6点上昇していた。
苦手分野を捨てて得意分野で点数を稼ぐ生徒よりも、バランスよく得点しながらミスを最小限に抑えられる生徒に有利な試験だったと思われる。
どの教科も出題される問題のレベルが下がったわけではないため、基本から標準レベルの問題は確実に合わせ、応用問題では考えた過程をしっかりとノートに残す学習を日ごろから意識したい。
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形式上の変化は見られず、両日とも大問6題ずつの出題であった。昨年は両日とも受験者平均点が60点台と高かったが、今年はそれを上回る結果となり、1日目が73点、2日目が61.2点であった。
各問題に目を向けると、手も足も出ないという超難問はないが、標準から応用までの内容がバランスよく出題されている。そのため、問題を取捨選択して点数を積み上げるのではなく、どの問題も着手したうえでミスを最小限にできたかどうかが合否の分かれ目であったと感じる。
出題分野に関しては、例年通り図形分野と数論分野が多くを占めていた。図形に関しては過去問をアレンジした問題(1日目大問6)が出題され、数論に関しては与えられた条件のもと操作を行い試行と思考を重ねる問題(1日目大問5・2日目大問4)が出題された。
対策としては過去問演習を軸とした学習はもちろんのこと、日ごろから条件を的確にとらえ、式を立てながらわかったことを整理する学習を心がけたい。
1日目・2日目ともに1題目に論説文、2題目に物語文が出題された。論理的な随筆文、文学的な随筆文が出題されることもあるが、1題目に論理的文章、2題目に文学的文章という形式は10年以上継続されている。
問題については難解な記述問題が多く出題されるという例年の傾向と変わりはなかった。記述の字数、難易度についても例年と同じような試験だったので、甲陽に向けた学習を積んできた受験生には力を発揮しやすい問題だったといえる。
甲陽合格のためには、高度な読解力・記述力が必要となるので、日々の学習から文章をじっくりと読み、自分の力で記述を書くという練習に取り組んでいくようにしたい。
また自分の答えと模範解答をじっくりと見比べ、文中根拠を確認する作業にも積極的に取り組みたい。その上で、過去問から甲陽の問題傾向に即した要旨・主題に注目して解答を導けるように練習を積んでいくのがよい。以前よりも漢字語句の出題が多くなっているので、言葉の学習もきちんとすべきである。
募集人数 | 200名 |
---|---|
志願者数 | 344名 |
受験者数 | 327名 |
合格者数 | 211名 |
実質倍率 | 1.55倍 |
算 数 | 国 語 | 理 科 | 計 | ||
---|---|---|---|---|---|
受験者平均点 | 1日目 | 73.0/100 | 62.4/100 | 61.4/100 | -/500 |
2日目 | 61.2/100 | 55.3/100 | ― | ||
計 | 134.2/200 | 117.6/200 | 61.4/100 | ||
合格者平均点 | 150.1/200 | 122.5/200 | 65.0/100 | 337.5/500 | |
合格者最高点 | 200/200 | 157/200 | 86/100 | 417/500 | |
合格者最低点 | -/200 | -/200 | -/100 | 301/500 |
募集人数 | 200名 |
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選抜方法 | 算・国・理 |
出願期間 | 12/25~1/7 |
試験日程 | 1/15・1/16 |
合格発表 | 1/17(掲示) |
1日目 | 2日目 | |
---|---|---|
算 数 | 100点(55分) | 100点(55分) |
国 語 | 100点(55分) | 100点(55分) |
理 科 | 100点(55分) | ― |
合 計 | 500点(275分) |
高校卒業生:201名
東京大(現役) | 31(17) |
---|---|
京都大(現役) | 57(37) |
大阪大(現役) | 24(14) |
神戸大(現役) | 24(15) |
大阪市立大(現役) | 7(5) |
大阪府立大(現役) | 6(1) |
早稲田大(現役) | 37(3) |
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慶應義塾大 | 18 |
関西学院大 | ― |
関西大 | ― |
同志社大(現役) | 42(5) |
立命館大 | ― |
年 度 | 受験者 | 合格者 | 実質倍率 | 合格者最低点 |
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2018 | 402 | 222 | 1.81 | 273/500(54.6%) |
2019 | 393 | 220 | 1.79 | 280/500(56.0%) |
2020 | 383 | 217 | 1.76 | 288/500(57.6%) |
2021 | 380 | 215 | 1.77 | 285/500(57.0%) |
2022 | 327 | 211 | 1.55 | 301/500(60.2%) |
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