神戸大学附属中等教育学校 入試分析 2022年度

2022年度の一般適性検査では、①募集人員数の変更(一般80名→内部+一般120名)、②作文・調査書の廃止と学びの報告書の導入、③web出願の開始、④会場の変更(神戸常盤アリーナ→三宮研修センター)など複数の大きな変化があった。

出願者数は昨年度より増加し、受検者数も微増した。実質倍率も昨年度の3.7倍から4.3倍へと上がっており、依然として高い人気を誇っている。

領域別に見ると、昨年度と比べて数理探究の難度がマイルドなものとなった一方、言語表現・自然環境・市民社会で難度が上がった。結果、数理探究で取りこぼしをせず、他領域で取るべき問題をしっかり得点できたかどうかがポイントとなった。出題内容を分析すると、独特の記述問題や思考問題への対応力がより一層求められるようになってきている。そのため、特化した対策を講じていく必要があると言えよう。

当映像は、進学館独自の視点で入試問題を分析し、皆さまにご説明するセミナー「中学入試 分析会」から一部をピックアップしたサンプル版です。本編映像は、冊子「中学入試分析会資料」の特典としてご覧になれます。資料は以下のボタンからお申込みください。

神戸大学附属中等教育学校
数理探究の出題傾向・対策

例年通り、大問4題の出題であった。かなり難易度の高かった昨年度と比べると、スタンダードな問題が多くなり、難易度も落ち着いたものとなった。例年、大問1は5題の小問集合で、ここでしっかりと得点をしておきたい。

今年度は大問2以降はすべて会話文であった。大問2は丁寧にかき出して調べる力が、大問3はデータをしっかりと読み取る力が試された。大問4は問い方が異なっているが、すべて同じ内容が問われていることに気づくことができるかがポイントとなった。

今回の適性検査では理由説明の問題が出題されなかったが、頻出であるので簡潔に書く練習など、対策をとっておく必要がある。

神戸大学附属中等教育学校 数理探究分野別出題バランス
中学受験専門 進学塾「進学館」の冬期講習2021

神戸大学附属中等教育学校
言語表現の出題傾向・対策

漢字の書き取りの問題がなくなり、俳句の穴埋め問題が出題された以外、大きな出題変更はないが、昨年に比べると文章量が増え、設問ともに難易度は上がっている。

文章の内容を表にまとめる問題、文章の内容を自分の実生活の中から見つけ説明する問題、図に印を書き入れる問題、文章の内容を四コマまんがにまとめ、セリフを考える問題など、見つける力・調べる力・まとめる力・発表する力を意識した特有の問題が出ている。

全体的に文章と設問の条件をよく読んで、自分の言葉で記述する問題が多い。したがって、語彙力と記述力は必須で、初見の問題に対する対応力や発想力なども欠かせない。

神戸大学附属中等教育学校 言語表現分野別出題バランス

神戸大学附属中等教育学校
自然環境の出題傾向・対策

  1. 出題内容
    大問数は計3題で、市民社会との共通問題が1題、生物と化学の融合問題が1題、物理が中心の生物・地学も含めた融合問題が1題である。
  2. 昨年までとの比較
    例年通り、資料や写真、グラフ等から必要な情報を見つける力や、それを文章や図で示す力が求められた。表の数値をもとに分析させて、現象の理由を書かせる記述問題がよく出題される。今年は、音楽の基礎知識が必要な出題も見られた。
  3. 対策
    日頃から表やグラフを見て、規則性や変化を捉える練習が必要である。計算問題では、単位の換算、四捨五入での答え方等、ふだんから注意して練習しておく必要がある。
神戸大学附属中等教育学校 自然環境分野別出題バランス

神戸大学附属中等教育学校
市民社会の出題傾向・対策

大問1は「沖縄」をテーマとした理社共通問題。楽譜や生物分布図などから答えの糸口を「見つける力」が問われた。

大問2は「カレー」を題材とした地理の問題。食文化の具体例や日本で変容した外国料理など、知識を引き出してそれを「まとめる力」が求められた。

大問3は「明治時代の社会」に関する著作を読み、関連する事柄に答えていく問題。図表の読み取りに加え、著作内容から現代社会を照射する思考力も必要とされた。

大問4は「多文化共生」にまつわる問題。様々な事象に対して主体的に「考える力」が求められた。全体的に「受験社会」と一線を画する出題が増えている。独自の対策が必要であろう。

神戸大学附属中等教育学校 市民社会分野別出題バランス
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神戸大学附属中等教育学校
入試結果:2022年度

男子

  自然環境 市民社会
募集人数 男女あわせて120名
志願者数 362名 24名
受検者数 257名 22名
合格者数 59名 2名
実質倍率 4.36倍 11.00倍
  数理探究 言語表現 自然環境 市民社会 総合点
受検者平均点 58.1/100 50.0/100 54.2/100 46.5/100 201.2/340
合格者平均点 77.2/100 64.1/100 66.3/100 72.0/100 247.6/340
受検者最高点 100/100 87/100 86/100 74/100 290/340
合格者最低点 -/100 -/100 -/100 -/100 229/340

総合点は検査合計に学びの報告書を加えた値です。

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女子

  自然環境 市民社会
募集人数 男女あわせて120名
志願者数 277名 117名
受検者数 241名 104名
合格者数 53名 31名
実質倍率 4.55倍 3.35倍
  数理探究 言語表現 自然環境 市民社会 総合点
受検者平均点 57.3/100 57.6/100 53.0/100 55.6/100 208.6/340
合格者平均点 75.7/100 72.6/100 66.5/100 66.6/100 254.8/340
受検者最高点 100/100 87/100 82/100 80/100 304/340
合格者最低点 -/100 -/100 -/100 -/100 237/340

総合点は検査合計に学びの報告書を加えた値です。

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神戸大学附属中等教育学校
検査要項:2022年度

募集人数 男女あわせて120名
選抜方法 数理探究・言語表現・自然環境or市民社会・学びの報告書
出願期間 12/3~12/7
検査日程 1/18
合格発表 1/21(web)
数理探究 100点(50分)
言語表現 100点(50分)
自然環境 100点(50分)
市民社会 100点(50分)
学びの報告書 40点
総合点 340点(150分)

自然環境・市民社会選択制

神戸大学附属中等教育学校
大学合格実績:2021年度

高校卒業生:135名

国公立大学への合格者数

東京大(現役) 4 (4)
京都大(現役) 10 (9)
大阪大(現役) 12(11)
神戸大(現役) 13 (6)
大阪市立大(現役) 3 (3)
大阪府立大(現役) 3 (2)

私立大学への合格者数

早稲田大(現役) 6 (2)
慶應義塾大(現役) 2 (1)
関西学院大(現役) 31(27)
関西大(現役) 42(24)
同志社大(現役) 32(25)
立命館大(現役) 34(15)

神戸大学附属中等教育学校
過去の入試結果データ

年  度 選択科目 男子 女子
受検者 合格者 実質倍率 合格者最低点 受検者 合格者 実質倍率 合格者最低点
2018 自然環境 304 59 5.15 271/360(75.3%) 364 46 7.91 278/360(77.2%)
市民社会 35 1 35.00 172 20 8.60
2019 自然環境 286 63 4.54 266/360(73.9%) 372 55 6.76 280/360(77.8%)
市民社会 28 3 9.33 147 21 7.00
2020 自然環境 246 61 4.03 275/360(76.4%) 287 46 6.24 284/360(78.9%)
市民社会 34 3 11.33 130 31 4.19
2021 自然環境 185 67 2.76 256/360(71.1%) 282 56 5.04 267/360(74.2%)
市民社会 24 4 6.00 116 39 2.97
2022 自然環境 257 59 4.36 229/340(67.4%) 241 53 4.55 237/340(69.7%)
市民社会 22 2 11.00 104 31 3.35

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