2022年度の受験者数は昨年度より約20名減ったが、Ⅱ型(算・国・理受験)の受験者が28名増え、算数と理科の出来が大きく合否に関わる受験となった。
昨年度、非常に平均点が高かった算数は難化し、受験者平均点、合格者平均点ともに約24点下がった。理科は昨年度なみの難易度だったが、合格者平均点が67.9点と、約85%の得点率が必要であった。難化した算数であっても解ける問題に取り組み、理科でミスなく点数をとりきったかどうかが合否を分けた。
国語は平均点が安定しているが、社会がここ数年で難化しており、今年は理科と社会の合格者平均点の差が8.9点に広がった。次年度の入試は、科目バランスの調整のため、理科の難化もしくは社会の易化の可能性が大いにあると考えられる。
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出題傾向に変化は見られなかったものの、昨年より難度が大幅に上がり、合格者平均が過去15年間で最も低かった2019年度の74.8点とほぼ同じ結果となった。
大問は全部で5題。大問1は、計算と小問集合になっており、計算以外では考え方を記載することによって部分点が与えられる。また、大問2~4のどれか1題に、考え方、または、作図を求める小問が1題出題される。
図形の出題数が例年全問題の半分近くを占めており、今年度は平面図形から難度の高い問題が出題され、立体図形から作図を求める問題が出題された。合格のためには、常に作図を意識しながら図形問題に幅広く取り組む姿勢が必要となる。
今年度も例年通りの問題構成であった。大問1は文学的文章、大問2は論理的文章、大問3が知識問題である。大問1・2では、文章内容に関わる記号問題や記述問題、漢字の問題、副詞や接続詞の問題、語句の意味を問う問題などが出題される。
難度が高いのは記述問題で、制限字数100字前後の問題が出題される。人物の心情を推測する力や文章の要点をまとめる力などが求められる問題となっている。大問3は、今年度は四字熟語の問題であった。ことわざ、慣用句、対義語、四字熟語、俳句など、さまざまな分野から出題されるので、かたよることなく知識を身につけておく必要がある。
形式は例年と変化がなかったが、今年度は難化して平均点が下がった。地理や歴史分野において問われた知識は例年通りと変わらなかったが、複合的に考えて初めて答えにたどり着ける問題が多く、それに苦しめられた受験生は多かったと思う。また、新型コロナウイルスやオリンピックに関する問題や情報通信、くらしに関わる問題などの難易度が高い問題が多かったのも、平均点を下げた原因の一つであろう。
塾の勉強はもちろん、普段からニュースやくらしに関わるさまざまな知識を貪欲に吸収しようとする意識が必要とされる。ニュースに出てくる用語や映像、話題となった場所などには気をつけておきたい。
Ⅰ型(4科目型) | Ⅱ型(3科目型) | |
---|---|---|
募集人数 | 190名 | |
志願者数 | 532名 | 195名 |
受験者数 | 513名 | 172名 |
合格者数 | 209名 | 69名 |
実質倍率 | 2.46倍 |
算 数 | 国 語 | 理 科 | 社 会 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|
受験者平均点 | 58.1/120 | 71.0/120 | 62.2/80 | 54.8/80 | 245.5/400 |
合格者平均点 | 75.5/120 | 77.5/120 | 67.9/80 | 59.0/80 | 281.0/400 |
合格者最高点 | 120/120 | 104/120 | 80/80 | 75/80 | 350/400 |
合格者最低点 | 41/120 | 50/120 | 45/80 | 32/80 | 256/400 |
募集人数 | 190名 |
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選抜方法 | 算・国・理(・社) |
出願期間 | 12/14 ~ 12/22 |
試験日程 | 1/15 |
合格発表 | 1/16(web) |
算 数 | 120点(60分) |
---|---|
国 語 | 120点(60分) |
理 科 | 80点(40分) |
社 会 | 80点(40分) |
合 計 | 400点(200分) |
高校卒業生:176名
東京大(現役) | 12 (9) |
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京都大(現役) | 43(27) |
大阪大(現役) | 15(10) |
神戸大(現役) | 19(12) |
大阪市立大(現役) | 14(13) |
大阪府立大(現役) | 12 (5) |
早稲田大(現役) | 13 (8) |
---|---|
慶應義塾大(現役) | 14 (2) |
関西学院大(現役) | 31 (4) |
関西大(現役) | 44(13) |
同志社大(現役) | 54(15) |
立命館大(現役) | 38 (9) |
年 度 | Ⅰ型 | Ⅱ型 | 実質倍率 | 合格者最低点 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
受験者 | 合格者 | 受験者 | 合格者 | |||
2018 | 552 | 217 | 178 | 67 | 2.57 | 262/400(65.5%) |
2019 | 559 | 238 | 174 | 60 | 2.46 | 251.25/400(62.8%) |
2020 | 527 | 240 | 168 | 57 | 2.34 | 262/400(65.5%) |
2021 | 559 | 222 | 144 | 56 | 2.53 | 285/400(71.3%) |
2022 | 513 | 209 | 172 | 69 | 2.46 | 256/400(64.0%) |
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