神戸大学附属中等教育学校 入試分析 2024年度

2024年度の適性検査では、会場が神戸常盤アリーナから神戸大学鶴甲第1キャンパスに変更となった。

昨年、火曜日→水曜日に変更となった入試曜日については、今年も水曜日のままで、その結果志願者数も1027人(連携53人・一般974人)と2年連続の1000人超えとなった。実際の受検者数は702人(連携41人・一般661人)で昨年の657人と比して増加したが、今年度特筆すべきはその合格者数である。昨年度の148人(連携30人・一般118人)に対し、今年度は210人(連携25人・一般185人)と激増した。私立最難関中併願者の動向を見据えての合格者数だと推察されるが、2015年度の適性検査開始以降、一般の合格者数は過去最多となった。

検査内容については、各領域ともに私立中とは一線を画した記述力・分析力が求められるのは不変である。各科目の土台強化に加え、「KUらしい」問題への対応力養成が必須である。

神戸大学附属中等教育学校
数理探究の出題傾向・対策

例年通り、大問4題の出題であった。ここ数年は比較的、手が動きやすい問題が多かったが、今年度は後半に難易度が高く、見た目にも圧倒されるような問題が出題された。

大問1は例年通り5題の小問集合で、ここでしっかりと得点できるように基礎力を鍛えておきたい。大問2は数に関する問題で、条件を整理する力が試される出題となっていた。大問3、4は会話文形式で、図形問題が出題された。どちらも長文の問題内容を把握し、落ち着いて処理していく力が必要であった。

毎年、考え方や説明を書く問題が必ず出題されるので、式や図を用いて、簡潔な文章で書くことができるように対策をとっておく必要がある。

神戸大学附属中等教育学校 数理探究分野別出題バランス
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神戸大学附属中等教育学校
言語表現の出題傾向・対策

文章題がすべて論説文だった昨年とは違い、今年度は、大問1が論説文、大問2が随筆文、大問3が随筆文と会話文という構成であった。

大問4では、慣用句と漢字パズルの問題が出題された。答えを図に書きこむ問題、新聞記事についてのレポートをまとめる問題、文章にある具体例と同じような例を自分の実生活の中から見つけ説明する問題など、見つける力・調べる力・まとめる力・発表する力を意識した特有の問題が出ている。

全体的に文章と設問の条件をよく読んで、自分の言葉で記述する問題が多い。したがって、語彙力と記述力は必須で、初見の問題に対する対応力や発想力なども欠かせない。

神戸大学附属中等教育学校 言語表現分野別出題バランス

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自然環境の出題傾向・対策

  1. 出題内容
    大問数は計3題で、大問1が市民社会との共通問題、大問2・3ともに化学と生物の融合問題だった。大問2では算数的な計算問題も出題された。今年は物理の出題はなかった。
  2. 昨年までとの比較
    資料や会話文、グラフから必要な情報を見つける力をはかる問題は例年通りで、計算やグラフ作成力をはかる問題はやや易化。今年は時事問題も出題された。
  3. 対策
    日頃から、表などの資料から規則性や変化を捉える意識を持っておきたい。説明記述が非常に多く書きにくいため、練習が必須である。手間のかかる計算が多いため、効率よく計算する力・単位に十分注意する習慣を身につけておきたい。
神戸大学附属中等教育学校 自然環境分野別出題バランス

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市民社会の出題傾向・対策

大問1は「海」を題材とした理社共通問題。社会のみならず理科の基本的な知識が求められた。

大問2は「世界農業遺産」をテーマとした地理の問題。兵庫県の農業や神戸市東灘区岡本の梅が減った理由など、地元にまつわる出題が目立った。

大問3は「鉄道唱歌」に関する歴史の問題。楽譜の読み取りやオリジナルの鉄道唱歌創作といった「KUらしい」出題がなされた。

大問4は「税金」に関する公民の問題。公民の基本知識に加え、ふるさと納税の課題を答えさせるなど、「いま」に絡めた問題も出された。ここ数年の中では「知識」を問う問題は多かったと言えるが、依然として初見の問題への対応力は必須である。

神戸大学附属中等教育学校 市民社会分野別出題バランス
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神戸大学附属中等教育学校
入試結果:2024年度

男子

  自然環境 市民社会
募集人数 男女あわせて120名
志願者数 532名 37名
受検者数 331名 26名
合格者数 97名 3名
実質倍率 3.41倍 8.67倍
  数理探究 言語表現 自然環境 市民社会 総合点
受検者平均点 55.1/100 61.1/100 63.8/100 57.9/100 219.1/340
合格者平均点 77.8/100 74.0/100 76.1/100 78.7/100 266.3/340
受検者最高点 100/100 91/100 93/100 85/100 313/340
合格者最低点 -/100 -/100 -/100 -/100 246/340

総合点は検査合計に学びの報告書を加えた値です。

※スマートフォンは横スクロールでご覧ください。

女子

  自然環境 市民社会
募集人数 男女あわせて120名
志願者数 278名 127名
受検者数 219名 85名
合格者数 59名 26名
実質倍率 3.71倍 3.27倍
  数理探究 言語表現 自然環境 市民社会 総合点
受検者平均点 49.6/100 66.6/100 63.3/100 68/100 220.5/340
合格者平均点 68.6/100 76.5/100 74.7/100 82/100 262.8/340
受検者最高点 96/100 93/100 93/100 95/100 315/340
合格者最低点 -/100 -/100 -/100 -/100 246/340

総合点は検査合計に学びの報告書を加えた値です。

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神戸大学附属中等教育学校
検査要項:2024年度

募集人数 男女あわせて120名
選抜方法 数理探究・言語表現・自然環境or市民社会・学びの報告書
出願期間 12/1~12/12
検査日程 1/17
合格発表 1/20(Web)
数理探究 100点(50分)
言語表現 100点(50分)
自然環境 100点(50分)
市民社会 100点(50分)
学びの報告書 40点
総合点 340点(150分)

自然環境・市民社会選択制

神戸大学附属中等教育学校
大学合格実績:2023年度

高校卒業生:125名

国公立大学への合格者数

東京大(現役) 4 (3)
京都大(現役) 5 (4)
大阪大(現役) 10 (9)
神戸大(現役) 12(10)
大阪公立大(現役) 8 (4)

私立大学への合格者数

早稲田大(現役) 10 (6)
慶應義塾大(現役) 8 (5)
関西学院大(現役) 33(26)
関西大(現役) 22(16)
同志社大(現役) 24(12)
立命館大(現役) 24(19)

神戸大学附属中等教育学校
過去の入試結果データ

年  度 選択科目 男子 女子
受検者 合格者 実質倍率 合格者最低点 受検者 合格者 実質倍率 合格者最低点
2020 自然環境 246 61 4.03 275/360(76.4%) 287 46 6.24 284/360(78.9%)
市民社会 34 3 11.33 130 31 4.19
2021 自然環境 185 67 2.76 256/360(71.1%) 282 56 5.04 267/360(74.2%)
市民社会 24 4 6.00 116 39 2.97
2022 自然環境 257 59 4.36 229/340(67.4%) 241 53 4.55 237/340(69.7%)
市民社会 22 2 11.00 104 31 3.35
2023 自然環境 298 57 5.23 250/340(73.5%) 208 35 5.94 249/340(73.2%)
市民社会 35 4 8.75 76 22 3.45
2024 自然環境 331 97 3.41 246/340(72.4%) 219 59 3.71 246/340(72.4%)
市民社会 26 3 8.67 85 26 3.27

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