関西学院中学部 入試分析 2021年度

従来の2日間入試が1日勝負となり、さらにはA・B日程という2度の受験チャンスが設定されて2年目である。受験しやすくなったことで出願者数も2年続けて多かった。実質倍率については、A日程では男子が昨年と同等の2.4倍、女子は少し落ち着いて2.7倍となった。

また、B日程でも男子は昨年と同じ4.0倍、女子はかなり落ち着いて4.4倍と、いずれの日程においても男女間の難度差が狭まったと言える。

どの科目も入試問題に大きな変化はない。A日程が易しく、B日程が難しいとも限らないが、ライバルの強さを考えると、やはりB日程の方が厳しい戦いになる。第一志望校を関西学院とする場合、他の学校以上「過去問の対策」が重要となることはまちがいない。

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関西学院中学部
算数の出題傾向・対策

2020年度の入試よりA・B日程ともに時間は60分、配点は200点となったが、問題の形式は例年通りであり、変わっていない。大問1は計算が4題、大問2は一行問題が5題、大問3~6では途中の式や考え方も書き残すよう指示がある。

増加すると予想された問題数もA・B日程ともにほぼ変化なし。テスト時間を10分長くした学校側の意図は、問題数を増やすというのではなく、思考力やひらめきを要する難問を出題するというものであった。

昨年は2日続けて存在感を放った「速さの問題」が今年は影を潜め、その代わりに今までは出題頻度の少なかった「ニュートン算」や作図を必要とする「立体の影の問題」が出された。13年連続で出題されているグラフの問題は、2年続けてA・B両日程で出されている。

大問3~6で書き表した式などは、正解しなくとも部分点につながる可能性があるので、限られたスペースでもコンパクトな字でしっかり書き、自分の考えをうまく採点者に伝える意識が重要である。

関西学院中学部 算数分野別出題バランス
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関西学院中学部
国語の出題傾向・対策

A日程・B日程ともに文章題2題と文法問題2題の構成で、文章題の種類については論理的文章と文学的文章の2種類が出題された。A日程で『虫めづる姫君』が出題されており、2016年以来となる古典作品からの出題であった。

文章量は昨年度と比べて両日程ともに増加しているので、文章を素早く読み進めることを普段の学習で心がけておきたい。読解問題としては例年通り記述問題を中心とする問題構成で、「できるだけ文中のことばを使って答えなさい」という条件がついているものが多かった。答えの根拠となる部分を素早く探し、文末や指示語に注意してまとめる練習が必要である。

また、字数を指定しない問題が多いので、解答欄の大きさから書く分量を考える練習にも取り組んでおきたい。漢字の書き取りについてはA日程で15問、B日程で18問出題されており、確実に得点源にしたい。語句・文法問題については基本的な内容が出題されているので、過去問でバランス良く触れておきたい。

関西学院中学部 国語分野別出題バランス

関西学院中学部
理科の出題傾向・対策

  1. 出題内容
    今年は物理・化学・生物・地学が各1 題ずつの出題であった。小問数は44 題と例年より少なく見えるが、問4(6)が15項目にわたって問われているので、実際には若干増えている。
  2. 昨年までとの比較
    物理は状態変化、化学は定番の溶解度計算とはいえ、問題文の長さ・条件設定の複雑さにより、少々難度が高いように見える。しかし、両分野とも基本に忠実に解くことにより正答にたどり着けるものなので、見た目にだまされず、問題文と真摯に向かい合ってほしい。生物は植物(インゲンマメ・種子)。地学は地震で若干の計算(地球カレンダー・説明あり)が伴った。
  3. 対策
    学校教科書に載っている生物や実験・観察については、手順や理由、変化のようすといった細部にわたり身につけておくことが必要。計算は標準からやや難レベルの「型」を確実に身につけておきたい。また、気象やノーベル賞などの時事問題が見られることが多いので、入試直前に確認すべきである。
関西学院中学部 理科分野別出題バランス
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関西学院中学部
入試結果:2021年度

男子

  A日程 B日程
募集人数 65名 25名
志願者数 202名 243名
受験者数 183名 174名
合格者数 78名 44名
実質倍率 2.35倍 3.95倍
   A日程 B日程
算数 国語 理科 算数 国語
受験者平均点 142/200 135/200 59/100 336/500 132/200 129/200 266/400
合格者平均点 -/200 -/200 -/100 -/500 -/200 -/200 -/400
受験者最高点 200/200 182/200 86/100 440/500 200/200 174/200 361/400
合格者最低点 -/200 -/200 -/100 358/500 -/200 -/200 307/400

女子

  A日程 B日程
募集人数 35名 15名
志願者数 133名 167名
受験者数 125名 131名
合格者数 46名 30名
実質倍率 2.72倍 4.37倍
  A日程 B日程
算数 国語 理科 算数 国語
受験者平均点 150/200 148/200 60/100 359/500 138/200 145/200 289/400
合格者平均点 -/200 -/200 -/100 -/500 -/200 -/200 -/400
受験者最高点 200/200 189/200 90/100 454/500 196/200 189/200 370/400
合格者最低点 -/200 -/200 -/100 385/500 -/200 -/200 328/400

関西学院中学部
入試要項:2021年度

  A日程 B日程
募集人数 男子 65名 25名
女子 35名 15名
選抜方法 算・国・理・面接 算・国
出願期間 12/7 ~ 12/18・1/6 ~ 1/8
試験日程 1/16 1/19
合格発表 1/17(web) 1/20(web)
※コロナの影響でA日程の面接は中止
  A日程 B日程
算   数 200点(60分) 200点(60分)
国   語 200点(60分) 200点(60分)
理   科 100点(45分)
合   計 500点(165分) 400点(120分)

関西学院中学部
大学合格実績:2020年度

高校卒業生:377名

関西学院大学への合格者数

商学部 75 理工学部 16
経済学部 70 国際学部 24
法学部 44 文学部 25
社会学部 50 人間福祉学部 18
総合政策学部 21 教育学部 9
神学部 1 合計 353

国公立大学・私立大学への合格者数

神戸大(現役) 4 (4)
早稲田大(現役) 1 (1)
慶應義塾大(現役) 2 (2)

関西学院中学部
過去の入試結果データ

年   度 男子 女子
受験者 合格者 実質倍率 合格者最低点 受験者 合格者 実質倍率 合格者最低点
2019 189 104 1.82 332/500(66.4%) 129 71 1.82 340/500(68.0%)
2020 A日程 189 80 2.36 355/500(71.0%) 146 46 3.17 371/500(74.2%)
B日程 172 43 4.00 280/400(70.0%) 155 24 6.46 307/400(76.8%)
2021 A日程 183 78 2.35 358/500(71.6%) 125 46 2.72 385/500(77.0%)
B日程 174 44 3.95 307/400(76.8%) 131 30 4.37 328/400(82.0%)

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