今年度は、募集人数が176名から200名と増加したものの、受験者数は909名から869名と40名減少した。倍率は昨年の2.52倍から2.16倍へと変化したが、依然として高い人気を誇っており、最難関校の一つであることに変わりはない。
例年通り3科型・4科型の入試を行ったが、理科の合格者平均点が69.5点であるのに対し、社会の平均点は73.3点であり、4科型受験の方が有利と言える。
出題はすべての科目において、単純な知識やテクニックだけではなく、本質の理解をともなっていなければ得点が難しい良問ばかりである。日頃からじっくりと問題に向き合い、物事の本質を捉える学習を積み重ねていきたい。
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昨年度までは問題用紙と解答用紙がB4縦長の形式であったが、今年度はB4横長に変化した。出題数は大問4題と例年どおり。
出題傾向については、図形以外の分野では文章題の出題数にやや偏りがあるものの、難度の高い計算から問題が始まり、図形分野が全体の4割弱の割合で出題される点は例年どおりである。
解答用紙には考え方を記入するスペースが裏表両面に広く用意されており、高い答案作成力が要求される。問題文にある条件を丁寧に整理して式をかくのはもちろんのこと、さらに補足説明や表・図も加えながら、自分の解き方が相手に伝わるような答案作りを普段のノート学習で意識しておきたい。
大問1は漢字の書き取りと三字熟語が出題された。東大寺の漢字は難易度が高く完答するのは難しいが、例年に比べ取り組みやすいものもあった。三字熟語については、言葉の意味を理解した上で適切な用例を選ぶ必要がある。
大問2は論理的文章で、二つの文章を比較させるタイプの問題も出題された。大問3の文学的文章は時代背景の古い物語文が出題された。文章読解の設問は記号問題と記述問題がほとんどで、記述問題では100字、60字、80字といった長めの記述が出題されている。
東大寺合格のためには、文章を深く理解する読解力と、要点や心情、理由をまとめる高い記述力が必要不可欠である。
今年度は、記述問題の出題数が増え、論述の問題も出題されるという、例年とは少し異なる形式であった。
ただし、それでも、選択肢問題の割合が非常に多く、さらにそのほとんどが解答までに複数の知識を必要とする正誤判断の問題や、データ・グラフの分析といった思考力を必要とする問題であるという東大寺スタイルが今年も健在であった。
試験時間は50分と長いが、1問にかかる時間も長いので、9月くらいから過去問を解き始め、ある程度慣れていく必要がある。
ただし、地理・歴史・公民において豊富な知識が必要となるので、過去問に取り組み始める前にはある程度知識の数を増やしておきたい。
3科型 | 4科型 | |
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募集人数 | 200名 | |
志願者数 | 347名 | 578名 |
受験者数 | 326名 | 543名 |
合格者数 | 186名 | 216名 |
実質倍率 | 1.75倍 | 2.51倍 |
算 数 | 国 語 | 理 科 | 社 会 | ※計 | ||
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受験者平均点 | 3科型 | 62.1/100 | 61.7/100 | 64.7/100 | ― | 251.4/400 |
4科型 | 47.0/100 | 60.9/100 | 59.6/100 | 69.3/100 | 238.0/400 | |
全体 | 52.7/100 | 61.2/100 | 61.5/100 | 69.3/100 | 243.0/400 | |
合格者平均点 | 3科型 | 75.0/100 | 66.2/100 | 71.0/100 | ― | 283.0/400 |
4科型 | 61.6/100 | 66.1/100 | 68.2/100 | 73.3/100 | 271.4/400 | |
全体 | 67.8/100 | 66.1/100 | 69.5/100 | 73.3/100 | 276.7/400 | |
合格者最高点 | 3科型 | 100/100 | 87/100 | 92/100 | ― | 340/400 |
4科型 | 90/100 | 91/100 | 86/100 | 95/100 | 332/400 | |
合格者最低点 | 3科型 | 44/100 | 48/100 | 40/100 | ― | 249.3/400 |
4科型 | 32/100 | 36/100 | 47/100 | 42/100 | 249/400 |
3科の得点を3分の4倍して判定
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募集人数 | 200名 |
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選抜方法 | 算・国・理(・社) |
出願期間 | 12/7 ~ 12/16 |
試験日程 | 1/18 |
合格発表 | 1/20(掲示・web) |
算 数 | 100点(60分) |
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国 語 | 100点(50分) |
理 科 | 100点(50分) |
社 会 | 100点(50分) |
合 計 | 400点(210分) |
高校卒業生:202名
東京大(現役) | 36(24) |
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京都大(現役) | 60(42) |
大阪大(現役) | 15 (5) |
神戸大(現役) | 8 (2) |
大阪市立大(現役) | 4 (1) |
大阪府立大(現役) | 13 (2) |
早稲田大(現役) | 38 (6) |
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慶應義塾大(現役) | 23 (4) |
関西学院大 | ― |
関西大(現役) | 20 (1) |
同志社大(現役) | 47 (2) |
立命館大(現役) | 24 (2) |
年 度 | 3科型 | 4科型 | |||||||
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受験者 | 合格者 | 実質倍率 | 合格者最低点 | 受験者 | 合格者 | 実質倍率 | 合格者最低点 | ||
2017 | 360 | 151 | 2.38 | 254.7/400(63.7%) | 534 | 213 | 2.51 | 254.7/400(63.7%) | |
2018 | 335 | 154 | 2.18 | 240.0/400(60.0%) | 576 | 219 | 2.63 | 239.0/400(59.8%) | |
2019 | 308 | 153 | 2.01 | 253.3/400(63.3%) | 576 | 198 | 2.91 | 254/400(63.5%) | |
2020 | 321 | 171 | 1.88 | 250.7/400(62.7%) | 588 | 190 | 3.09 | 250/400(62.5%) | |
2021 | 326 | 186 | 1.75 | 249.3/400(62.3%) | 543 | 216 | 2.51 | 249/400(62.3%) |
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