甲陽学院中は、昨年度と比べ、受験者数や実質倍率はほぼ横ばいとなり、依然として高い人気を誇った。各科目の受験者平均点については、国語が両日とも昨年から10点近く下がり難化した一方で、算数は2日目が13点近く上がり易化した。
理科は例年通りの点数に落ち着いた。国語は知識問題が減り、記述問題の割合が増えた。算数は典型題を深く掘り下げる形式で展開され、力の差が表れる問題構成であった。理科は最高点が低く、大問としてすべてを合わせきるのは難しかったと予想される。
総じて、どの科目においても深い理解と根気強さが求められる試験であった。対策としては、過去問演習ならびにその直しを軸とした学習を徹底したい。
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大問数は1日目も2日目も6題と例年通りの形式となった。平均点は、両日とも60点台で易化したといえる。
また、2015年以降2日目の方が1日目よりも平均点が下がる傾向が続いていたが、今年度は2日目の方が1日目よりも平均点がやや高かった。
出題分野は定番である「シンプルな数の問題」「作図で整理する速さ」「比を駆使する平面・立体図形」が多数出題された。特に1日目の大問5は図が与えられていない図形問題で、正確な作図から相似な形を論理だてて考えていく甲陽らしい問題であった。
また、2日目の大問1では、与えられた文章の真偽を論理的に考える、大学入試を意識した問題であった。 同校の特徴の1つとして、大問の(1)で典型題を出題し、そこにひねりを加えた問題が(2)で出題される。大問を完答するには、日頃から条件整理、立式、作図の3点を意識することが重要である。さらに、別解などについても理解を深め問題の本質に迫ることも大切である。
1日目は論説文と物語文、2日目は随筆文と物語文が出題された。出題された文章は2019年と2020年に出版された作品から選ばれており、近年出版された作品から出題される傾向は変わっていない。
漢字・語句については、昨年と同様に出題の仕方にひねりが加えられている問題もあったが、昨年よりも出題数が減っている。その分、難解な記述問題の割合が多くなったため、受験者平均が大きく下がっている。甲陽合格のためには、文章をじっくりと読み、深いレベルまで理解できる読解力が必要となる。
その上で、甲陽がどのような解答を求めているのかを推測し、それを表現することができる高度な記述力が求められる。出題される文章のテーマや記述問題の傾向が大きく変化する学校ではないので、過去問の文章内容・設問内容・解答とその根拠の導き出し方について、暗記するくらい解いておくのが望ましい。
また、漢字語句は貴重な得点源となるので、日々学習しておくようにしたい。
募集人数 | 200名 |
---|---|
志願者数 | 410名 |
受験者数 | 380名 |
合格者数 | 215名 |
実質倍率 | 1.77倍 |
算 数 | 国 語 | 理 科 | 計 | ||
---|---|---|---|---|---|
受験者平均点 | 1日目 | 61.9/100 | 53.9/100 | 52.1/100 | -/500 |
2日目 | 63.2/100 | 55.1/100 | ― | ||
計 | 125.1/200 | 109.0/200 | 52.1/100 | ||
合格者平均点 | 143.8/200 | 116.2/200 | 56.4/100 | 316.4/500 | |
合格者最高点 | 197/200 | 155/200 | 78/100 | 397/500 | |
合格者最低点 | -/200 | -/200 | -/100 | 285/500 |
募集人数 | 200名 |
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選抜方法 | 算・国・理 |
出願期間 | 12/25 ~ 1/7 |
試験日程 | 1/16・1/17 |
合格発表 | 1/18(掲示・web) |
1日目 | 2日目 | |
---|---|---|
算 数 | 100点(55分) | 100点(55分) |
国 語 | 100点(55分) | 100点(55分) |
理 科 | 100点(55分) | ― |
合 計 | 500点(275分) |
高校卒業生:-
東京大(現役) | 33(31) |
---|---|
京都大(現役) | 50(22) |
大阪大(現役) | 16(11) |
神戸大(現役) | 16 (9) |
大阪市立大(現役) | 7 (4) |
大阪府立大 | 5 |
早稲田大(現役) | 19 (3) |
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慶應義塾大(現役) | 15 (3) |
関西学院大 | ― |
関西大 | ― |
同志社大(現役) | 33 (7) |
立命館大 | ― |
年 度 | 受験者 | 合格者 | 実質倍率 | 合格者最低点 |
---|---|---|---|---|
2017 | 369 | 219 | 1.68 | 276/500(55.2%) |
2018 | 402 | 222 | 1.81 | 273/500(54.6%) |
2019 | 393 | 220 | 1.79 | 280/500(56.0%) |
2020 | 383 | 217 | 1.76 | 288/500(57.6%) |
2021 | 380 | 215 | 1.77 | 285/500(57.0%) |
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