2020年度の啓明学院中学校の入試は、A方式では昨年度ほどの高い倍率とはならなかったものの、B方式では男子3.07倍、女子3.73倍と昨年度よりも狭き門となった。高い人気ぶりは今年度も健在であったと言える。
来年度以降もこのような傾向が続く可能性は高く、啓明学院を第一志望校にすえるのであれば、A方式で確実に合格しておきたい。
算数や理科では長いリード文を読ませてから問題を解かせ、国語では啓明学院オリジナルの文章を出題したり自由記述をさせたりと、他の学校にはない独自のスタイルを貫いている。合格のためには、過去問や予想問題を通して、十分な対策をとることが必要不可欠である。
A方式の大きな特徴は長いリード文から始まることである。例年、世界的なイベントや話題から題材とする国を選んでいると思われるが、オリンピックイヤーの今年度は日本であった。
出題分野は例年と比べて大きな変化はなく、計算、規則性、立体図形、円周率を用いる平面図形、速さとグラフ、割合とグラフといった問題が出題された。
ただ、計算問題の中に部分分数分解を用いた応用問題が出題されたり、体積から辺の長さを求める逆算の必要な問題があったりと、やや取り組みにくい問題が数問紛れていた。
その一方で、速さとグラフの問題は非常に求めやすい問題で、問題ごとの正答率がかなり偏ったのではないかと思われる。B方式はリード文がないものの、頻出単元はA方式とよく似ている。
啓明学院の頻出単元は計算、割合とグラフ、速さとグラフ、円周率を用いる図形問題である。グラフをかかせる問題もよく出題されるので、計算力とともに普段から意識して鍛えておくことが必要といえる。
両方式ともに昨年度と出題傾向に大きな変更はなかった。
A方式では、昨年度同様、啓明学院を舞台にした物語文1題が出題され、例年通りグラフを用いた50字の自由作文も出題された。
B方式では、物語文1題、独立した知識問題2題(同訓異字の書き取り問題、ことわざ・慣用句の空欄補充問題)が出題された。こちらも例年通り、物語文の内容に関連した400字の自由作文が出題されていた。
両方式とも字数指定のない記述問題が出題されるため、日ごろから物語文の記述問題に取り組んでおく必要がある。
漢字の書き取り問題は両方式とも10問ずつ出題され、今年度のB方式ではさらに同訓異字が独立して出題されていることから、得点源にできるようにしておきたい。
また、両方式で出題される自由作文の対策として、A方式に対しては自分の考えを端的にまとめる練習を、B方式に対しては作文用紙の使い方を確認することや自分の体験を踏まえて、意見をまとめる練習をしておく必要がある。
男子
A方式 | B方式 | |
---|---|---|
募集人数 | 65名 | 15名 |
志願者数 | 106名 | 147名 |
受験者数 | 101名 | 46名 |
合格者数 | 76名 | 15名 |
実質倍率 | 1.33倍 | 3.07倍 |
A方式:帰国・シンガポール入試受験生を除く
A方式 | B方式 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
算 数 | 国 語 | 理 科 | 計 | 算 数 | 国 語 | 計 | |
受験者平均点 | -/100 | -/100 | -/50 | -/250 | -/100 | -/100 | -/200 |
合格者平均点 | -/100 | -/100 | -/50 | -/250 | -/100 | -/100 | -/200 |
受験者最高点 | 94/100 | 89/100 | 43/50 | 210/250 | 86/100 | 94/100 | 161/200 |
合格者最低点 | -/100 | -/100 | -/50 | 149/250 | -/100 | -/100 | 135/200 |
女子
A方式 | B方式 | |
---|---|---|
募集人数 | 65名 | 15名 |
志願者数 | 123名 | 158名 |
受験者数 | 119名 | 56名 |
合格者数 | 78名 | 15名 |
実質倍率 | 1.53倍 | 3.73倍 |
A方式:帰国・シンガポール入試受験生を除く
A方式 | B方式 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
算 数 | 国 語 | 理 科 | 計 | 算 数 | 国 語 | 計 | |
受験者平均点 | -/100 | -/100 | -/50 | -/250 | -/100 | -/100 | -/200 |
合格者平均点 | -/100 | -/100 | -/50 | -/250 | -/100 | -/100 | -/200 |
受験者最高点 | 95/100 | 92/100 | 44/50 | 214/250 | 95/100 | 96/100 | 191/200 |
合格者最低点 | -/100 | -/100 | -/50 | 162/250 | -/100 | -/100 | 147/200 |
A方式 | B方式 | |
---|---|---|
募集人数 | 130名 | 30名 |
選抜方法 | 算・国・理 | 算・国(作文含む) |
保護者同伴面接 | ||
出願期間 | 12/18~1/10 | |
試験日程 | 1/18 | 1/20 |
合格発表 | 1/19(掲示) | 1/21(掲示) |
A方式 | B方式 | |
---|---|---|
算 数 | 100点(50分) | 100点(60分) |
国 語 | 100点(50分) | 100点(60分) |
理 科 | 50点(30分) | ― |
合 計 | 250点(130分) | 200点(120分) |
高校卒業生:231名
商学部 | 33 | 理工学部 | 8 |
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経済学部 | 35 | 国際学部 | 16 |
法学部 | 22 | 文学部 | 22 |
社会学部 | 34 | 人間福祉学部 | 16 |
総合政策学部 | 16 | 教育学部 | 14 |
合計 | 216 |
慶應義塾大(現役) | 1 (1) | ||||||||
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立命館大(現役) | 1 (1) |
男子 | A方式 | B方式 | ||||||
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受験者 | 合格者 | 実質倍率 | 合格者最低点 | 受験者 | 合格者 | 実質倍率 | 合格者最低点 | |
2016 | 69 | 60 | 1.15 | 164/250(65.6%) | 47 | 26 | 1.81 | 153/200(76.5%) |
2017 | 82 | 63 | 1.30 | 148/250(59.2%) | 70 | 38 | 1.84 | 134/200(67.0%) |
2018 | 95 | 69 | 1.38 | 142/250(56.8%) | 78 | 35 | 2.23 | 128/200(64.0%) |
2019 | 92 | 69 | 1.33 | 167/250(66.8%) | 83 | 28 | 2.96 | 144/200(72.0%) |
2020 | 101 | 76 | 1.33 | 149/250(59.6%) | 46 | 15 | 3.07 | 135/200(67.5%) |
女子 | A方式 | B方式 | ||||||
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受験者 | 合格者 | 実質倍率 | 合格者最低点 | 受験者 | 合格者 | 実質倍率 | 合格者最低点 | |
2016 | 120 | 83 | 1.45 | 180/250(72.0%) | 86 | 43 | 2.00 | 154/200(77.0%) |
2017 | 100 | 73 | 1.37 | 160/250(64.0%) | 78 | 48 | 1.63 | 137/200(68.5%) |
2018 | 109 | 76 | 1.43 | 151/250(60.4%) | 83 | 41 | 2.02 | 133/200(66.5%) |
2019 | 151 | 75 | 2.01 | 182/250(72.8%) | 116 | 33 | 3.52 | 148/200(74.0%) |
2020 | 119 | 78 | 1.53 | 162/250(64.8%) | 56 | 15 | 3.73 | 147/200(73.5%) |
募集人数
A方式120名・B方式40名(男女ほぼ同数)→A方式130名・B方式30名(男女ほぼ同数)
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