灘中学校 入試分析 2020年度

灘中学校2020年度入試の志願者数は775名と過去最高となった。
東京・神奈川からの志願者数があわせて184名と増加し、兵庫県からの志願者数の合計である185名とほぼ同じであることから、全国区の学校であることがより顕著になった。

算数に関しては、非常に難しかった昨年度とは異なり、今年度は取り組みやすい落ち着いた出題内容となった。

国語の2日目では、物語文が出題され、理科では問題文が長くなり、処理も複雑になったため、受験生は大変な思いをしたと予想される。

結果的に、難度は国語が例年通り、算数は近年では易しめ、理科は難しめとなったため、全体的には合格者最低点も含めて例年通りとなった。点数的なバランスを鑑みると、今後は、今年度の形が一つのモデルになると予想される。

進学館では毎年「中学入試分析会」を開催しております。この動画は、各校入試解説の冒頭部分を収録したものです。

灘中学校
算数の出題傾向・対策

大問数は1日目が11題、2日目が5題と例年通りの形式となった。難度は、激しく難化した2019年度と異なり、2020年度は易しめとなった。

手ごたえを感じた受験生は多かったが、実は正解させることが難しい、絶妙なレベルで構成されていたため、両日とも受験者平均点と合格者平均点が16点ほど離れる、差のつきやすいテストとなった。

1日目は、文章題にて、割合、整数条件、周期、速さなど、バランスよく出題された。図形は、比を利用するものが中心で、定番である展開図は出題されたが、複雑な立体の問題は影を潜めた。

2日目は、試行錯誤をテーマとした問題が1・2番に出題されたが、慎重に調べなければ正解できない要素もあり、苦労したと思われる。例年であれば1日目に出題される輪の移動の問題が出題されていた。最後には灘らしい立体の複雑な切断の問題があり、全体的には難度・単元ともバランスの取れた出題となった。

今後も、あらゆる単元に精通し、確実に正解させる力が要求されると思われる。

灘中学校 算数分野別出題バランス
中学受験専門 進学塾「進学館」の冬期講習2021

灘中学校
国語の出題傾向・対策

1日目…文章題1題・語句などに関する問題6題。
2日目…文章題2題・詩1題。

2日目の大問2で物語文が出題された以外は例年通り。1日目は外来語、ことわざ、慣用句、動詞、形容詞、漢字しりとりなど、知識分野から幅広く出題された。
また漢字の筆順に関する問題がはじめて出題され、基礎知識の重要性を再認識させられた。俳句も例年通り出題され、今年度は「植物」に関係するものであった。

1日目の入試では、圧倒的な知識量とその場で柔軟に対応する力が求められる。

2日目の大問1は読書の価値をテーマとした随筆文から出題された。大問2は灘ではめずらしい物語文からの出題であったが、設問自体はこれまでの傾向と変わりはない。
大問3は詩が出題された。灘の設問誘導にしたがい、何を問われているのかを理解しながら解き進める必要がある。総じて2日目は記述して解答するスタイルが中心となる。問題文中で傍線部の持つ意味を理解し、必要十分な内容を解答に盛り込まなければならない。

灘中学校 国語分野別出題バランス

灘中学校
理科の出題傾向・対策

  1. 出題内容
    大問6題のうち、物理は力学分野から2題、化学は気体の溶解度と測定誤差に関する問題の2題、生物は生き物のつながりに関する問題、地学は天体の視直径に関する問題が出題された。
  2. 昨年までとの比較
    試験時間に対して問題数は少ない。この時間的余裕を昨年度は計算処理に充てていた。今年度はこれに加えて問題を読み込んで内容を理解することにも時間を割く必要があった。それを象徴するのが力学2題である。てこの問題は正解にたどりつくために誘導にうまく乗る必要がある。そして、力のつり合いの問題は説明が少なく、灘受験生といえども手応えのないまま解答したのではないだろうか。
  3. 対策
    基礎的な知識力、計算を筋道立てて考える力を確実に身につけたい。また、学習した内容から問題を考えるだけでは太刀打ちできない場合がある。先入観を捨てて問題文で問われていることをその場で考えるという練習が必要である。
灘中学校 理科分野別出題バランス
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灘中学校
入試結果:2020年度

募集人数 180名
志願者数 775名
受験者数 762名
合格者数 256名
実質倍率 2.98倍
  算数1日目 算数2日目 国語1日目 国語2日目 理   科
受験者平均点 55.4/100 55.4/100 54.3/80 75.2/120 57.3/100 297.6/500
合格者平均点 72.0/100 71.2/100 58.1/80 79.9/120 66.7/100 347.9/500
受験者最高点 100/100 100/100 75/80 108/120 97/100 428/500
合格者最低点 -/100 -/100 -/80 -/120 -/100 320/500

※スマートフォンは横スクロールでご覧ください。

灘中学校
入試要項:2020年度

募集人数 180名
選抜方法 算・国・理
出願期間 12/25 ~ 1/7
試験日程 1/19・1/20
合格発表 1/21(掲示)
  1日目 2日目
算   数 100点(60分) 100点(60分)
国   語 80点(40分) 120点(70分)
理   科 100点(60分)
合   計 500点(290分)  

灘中学校
大学合格実績:2019年度

高校卒業生:219名

国公立大学への合格者数

東京大(現役) 74(59)
京都大(現役) 48(33)
大阪大(現役) 13(6)
神戸大(現役) 10(2)
大阪市立大 1
大阪府立大(現役) 4(1)

私立大学への合格者数

早稲田大(現役) 18(3)
慶應義塾大(現役) 25(8)
関西学院大 7
関西大 -
同志社大(現役) 19(4)
立命館大 10

灘中学校
過去の入試結果データ

年  度 受験者 合格者 実質倍率 合格者最低点
2016 639 239 2.67 296/500(59.2%)
2017 667 242 2.76 321/500(64.2%)
2018 727 252 2.88 322/500(64.4%)
2019 708 262 2.70 290/500(58.0%)
2020 762 256 2.98 320/500(64.0%)

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