昨年度に引き続き、神戸大学附属ではなく、常盤アリーナで試験が実施された。
志願者数、受検者数ともに昨年度より100名以上の減少となった。これは、同日に関西学院のB日程入試が実施されたこと、神戸大学附属の人気が高騰し受検を見送るという決断を下す人が増えたことなどが原因と考えられる。
しかしながら、依然として男女ともに高倍率となり、非常に厳しい戦いを強いられた。やや記述問題の割合が減少したものの、各科目でしっかりと書かされる問題が出題されている。
私立中向けの受験対策だけでは対応しにくい問題も多いので、神戸大学附属を目指す場合は、「適性検査型」の問題にできるだけたくさん取り組んで、見つけたことや推論、自分の考えなどをまとめる力(=表現力)を鍛えておく必要がある。
進学館では毎年「中学入試分析会」を開催しております。この動画は、各校入試解説の冒頭部分を収録したものです。
大問は4題、小問数は14問で昨年度同様の形式だった。大問1は5問の小問集合で構成され、問5以外は比較的解きやすい問題が多かったので、ここでしっかりと得点しておきたい。
大問2では、ビンをたおすゲームの得点を調べる問題が出題され、丁寧に調べ上げる力が要求された。大問3、大問4は毎年出題されている会話文の問題であった。特に大問4は3ページに渡る長い会話文で、読解力や必要な条件を取捨選択する力が試された。
大問3と大問4の問3はともに理由説明の問題で、条件を読み取り、気付いたことをまとめる力が要求された。日頃より読み手に伝わる記述の練習を積んでおく必要がある。
出題形式に大きな変更は無かった。長文の記述問題はやや少なくなったが、その分、少ない字数で端的に自分の考えをまとめる必要のある問題が目立った。
このような問題に対応するためには、日ごろから意見や考えを文章としてまとめ、書く練習が必要不可欠である。
また、今年度は複雑なデータの読み取りや難解な漢字語句分野の知識問題は出題されなかったが、日常生活の中で出てくる言葉の意味を知り、使いこなせているかどうかが問われる問題は例年通り出題されている。
新聞記事なども含めた多くの文章に慣れ親しみ、そういった文章について周囲の人と意見を交わすことも、合格への筋道であると言える。
「SDGs」が題材となった自然環境との共通問題、外国との結びつきをテーマとした地理分野、日本と外国の関連を主に問われた歴史分野では、学校が掲げる「グローバルキャリア人の育成」を意識しているというメッセージが感じられた。
公民分野では、選挙権がテーマとなっており、2019年の参議院選挙から定数が変わったという話題に関心があれば戸惑うことはなかったと考えられる。
身近な話題に関心を持ちつつ、半数以上を占める記述対策に取り組んでいきたい。また、資料の読み取り、計算問題等、適性検査独自の要素への対策も欠かせない。用語だけでなく、資料集等を用いて背景や理由を説明できることが必須である。
自然環境 | 市民社会 | |
---|---|---|
募集人数 | 男女あわせて80名 | |
志願者数 | 332名 | 41名 |
受検者数 | 246名 | 34名 |
合格者数 | 61名 | 3名 |
実質倍率 | 4.03倍 | 11.33倍 |
数理探究 | 言語表現 | 自然環境 | 市民社会 | 総合点 | |
---|---|---|---|---|---|
受検者平均点 | 58.8/100 | 65.5/100 | 70.0/100 | 61.3/100 | 245.1/360 |
合格者平均点 | 72.5/100 | 79.6/100 | 84.0/100 | 81.3/100 | 290.5/360 |
受検者最高点 | 95/100 | 93/100 | 95/100 | 90/100 | 318/360 |
合格者最低点 | -/100 | -/100 | -/100 | -/100 | 275/360 |
総合点は検査合計に調査書、作文を加えた値です。
自然環境 | 市民社会 | |
---|---|---|
募集人数 | 男女あわせて80名 | |
志願者数 | 339名 | 146名 |
受検者数 | 287名 | 130名 |
合格者数 | 46名 | 31名 |
実質倍率 | 6.24倍 | 4.19倍 |
数理探究 | 言語表現 | 自然環境 | 市民社会 | 総合点 | |
---|---|---|---|---|---|
受検者平均点 | 58.7/100 | 70.3/100 | 67.0/100 | 70.3/100 | 251.8/360 |
合格者平均点 | 74.8/100 | 82.8/100 | 83.6/100 | 85.6/100 | 299.1/360 |
受検者最高点 | 95/100 | 100/100 | 98/100 | 100/100 | 344/360 |
合格者最低点 | -/100 | -/100 | -/100 | -/100 | 284/360 |
総合点は検査合計に調査書、作文を加えた値です。
募集人数 | 男女あわせて80名 | |||||||||
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選抜方法 | 数理探究・言語表現 自然環境or市民社会 作文 |
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出願期間 | 12/2 ~ 12/4 | |||||||||
検査日程 | 1/21 | |||||||||
合格発表 | 1/24(掲示・web) |
数理探究 | 100点(50分) | |||||
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言語表現 | 100点(50分) | |||||
自然環境 | 100点(50分) | |||||
市民社会 | 100点(50分) | |||||
作文 | 30点(25分) | |||||
調査書 | 30点 | |||||
総合点 | 360点(175分) |
自然環境・市民社会選択制
年 度 | 選択科目 | 男子 | 女子 | ||||||
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受検者 | 合格者 | 実質倍率 | 合格者最低点 | 受検者 | 合格者 | 実質倍率 | 合格者最低点 | ||
2016 | 自然環境 | 315 | 61 | 5.16 | 256/360(71.1%) | 335 | 61 | 5.49 | 263/360(73.1%) |
市民社会 | 48 | 4 | 12.00 | 181 | 35 | 5.17 | |||
2017 | 自然環境 | 284 | 70 | 4.06 | 247/360(68.6%) | 339 | 64 | 5.30 | 256/360(71.1%) |
市民社会 | 47 | 2 | 23.50 | 164 | 31 | 5.29 | |||
2018 | 自然環境 | 304 | 59 | 5.15 | 271/360(75.3%) | 364 | 46 | 7.91 | 278/360(77.2%) |
市民社会 | 35 | 1 | 35.00 | 172 | 20 | 8.60 | |||
2019 | 自然環境 | 286 | 63 | 4.54 | 266/360(73.9%) | 372 | 55 | 6.76 | 280/360(77.8%) |
市民社会 | 28 | 3 | 9.33 | 147 | 21 | 7.00 | |||
2020 | 自然環境 | 246 | 61 | 4.03 | 275/360(76.4%) | 287 | 46 | 6.24 | 284/360(78.9%) |
市民社会 | 34 | 3 | 11.33 | 130 | 31 | 4.19 |
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