今年度も志願者倍率が2倍を超え、男子最難関校として、関西屈指の人気ぶりを示した。合格者最低点については、過去4年間の水準を若干上回るものだったが、各教科を紐解くと、出題レベルが下がったとは決して言えない。
昨年度大幅に平均点が上昇した理科の難度は一気に元の状態、むしろ例年以上の苦戦を強いられる出題となった。
算数は平均点こそ落ち着いたものの、正解を得るには相当な困難を要する問いが随所に見られ、部分点による加点が鍵となったことが想像される。
来年度の対策としては、記述量が減少したとはいえ高度な技量が必要とされる国語の根気強い鍛錬は勿論のこと、算数および理科についても、初見の問題が最高水準で出題されたとしても部分的にでも得点できるよう、過去問やそれと同レベルの難問に立ち向かっていく必要がある。
進学館では毎年「中学入試分析会」を開催しております。この動画は、各校入試解説の冒頭部分を収録したものです。
2日間ともに形式上の変化は見られなかった。昨年度は1日目のほうが2日目より20点以上平均点が高くなるという驚くべき難度の開きで、今年度も1日目が6割強、2日目はほぼ5割という得点率であった。
「1日目は気分よく受けてもらい、2日目に難度をあげる」という同校の意図があらわれた形となったが、歴史的には2日目のほうが平均点が高かった年も少なくないので、来年度もこの傾向が続くとは言い切れない。
出題分野はここ数年の定番となった「速さ、数、平面図形、立体図形」がたっぷりと出題され、テキストなどでよく見かける問題をちょっとだけ改題する甲陽らしい作問も見られた。
そして、甲陽の大きな特徴ともいえる「難度順に大問をならべないこと」については今年度も健在で、1日目は5番、2日目は3番にテスト内で最も難度の高い出題が配置された。
制限時間に対し出題数は多くないので、じっくり考え、足跡を答案に残しながら正解に近づく練習を平素から意識して取り組むことが肝要である。
1日目・2日目ともに論説文・物語文1題ずつの出題であった。今年度は1日目に出題された論説文が読解・記述問題ともに難しく、苦戦した受験生が多かったのではないかと思われる。
他の3つの文章については、比較的読みやすい内容だった。出題された文章については例年と同様に最新の著作から選ばれており、最先端を行こうとする学校側の心意気は変わっていない。
漢字語句については、出題の仕方にひねりが加えられている問題もあったが、例年に比べて出題数が多く、ここである程度点数を確保することができたため、2日間の受験者平均点が近5年で一番高くなった。
合格のためには、高いレベルの読解力・記述力を身につける必要がある。出題される文章のテーマや記述問題の傾向が大きく変化する学校ではないので、過去問の文章内容・設問内容・解答とその根拠の導き出し方について、暗記するくらい解いておくのが望ましい。
また、漢字語句は貴重な得点源となるので、日々学習しておくようにしたい。
募集人数 | 200名 |
---|---|
志願者数 | 410名 |
受験者数 | 383名 |
合格者数 | 217名 |
実質倍率 | 1.76倍 |
算 数 | 国 語 | 理 科 | 計 | ||
---|---|---|---|---|---|
受験者平均点 | 1日目 | 60.7/100 | 63.3/100 | 53.9/100 | -/500 |
2日目 | 50.4/100 | 64.5/100 | ― | ||
計 | 111.1/200 | 127.8/200 | 53.9/100 | ||
合格者平均点 | 129.0/200 | 133.5/200 | 58.6/100 | 321.1/500 | |
合格者最高点 | 185/200 | 168/200 | 83/100 | 403/500 | |
合格者最低点 | -/200 | -/200 | -/100 | 288/500 |
募集人数 | 200名 |
---|---|
選抜方法 | 算・国・理 |
出願期間 | 12/25 ~ 1/7 |
試験日程 | 1/18・1/19 |
合格発表 | 1/20(掲示) |
1日目 | 2日目 | |
---|---|---|
算 数 | 100点(55分) | 100点(55分) |
国 語 | 100点(55分) | 100点(55分) |
理 科 | 100点(55分) | ― |
合 計 | 500点(275分) |
高校卒業生:206名
東京大(現役) | 34(24) |
---|---|
京都大(現役) | 49(36) |
大阪大(現役) | 23(13) |
神戸大(現役) | 13 (8) |
大阪市立大(現役) | 6 (3) |
大阪府立大 | 3 |
早稲田大(現役) | 16 (6) |
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慶應義塾大(現役) | 20 (3) |
関西学院大 | ― |
関西大 | ― |
同志社大(現役) | 31 (2) |
立命館大 | 24 |
年 度 | 受験者 | 合格者 | 実質倍率 | 合格者最低点 |
---|---|---|---|---|
2016 | 382 | 220 | 1.74 | 271/500(54.2%) |
2017 | 369 | 219 | 1.68 | 276/500(55.2%) |
2018 | 402 | 222 | 1.81 | 273/500(54.6%) |
2019 | 393 | 220 | 1.79 | 280/500(56.0%) |
2020 | 383 | 217 | 1.76 | 288/500(57.6%) |
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