関西学院中学部 入試分析 2023年度

従来の2日間入試が1日勝負となり、さらにはA・B日程という2度の受験チャンスが設定されてから4年目に突入した。高くなったまま3年間続いた競争倍率であったが、それも今年ようやく少しの落ち着きを見せた。

今年を含めたここ数年、A日程を受けた直後の受験生の感想としては、理科が難しかったという声が多い。

募集人数を見ると非常に狭き門に感じるB日程であるが、実際は合格が多めに出されることもある。特にA・B両日程に挑む受験生にとっては決して無理な戦いではない。

男女共学となった2012年度も、入試が1日に集約された2020年度も、入試問題自体に大きな変化はなかった。「変わらない入試」ゆえに、他の学校よりもはるかに過去問の対策が重要だと言えるだろう。

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関西学院中学部
算数の出題傾向・対策

2020年度の入試よりA・B日程ともに時間は60分、配点は200点となったが、問題の形式はそれ以前とも変わっていない。

大問1は計算が4題、大問2は一行問題が5題、大問3~6では途中の式や考え方も書き残すよう指示がある。問題用紙は1枚で、計算を書き込むようなスペースはほとんどない。その代わりに計算用紙を1枚配布される。

15年連続で出題されている「グラフを読み取る問題」は、今年もA日程の主役として存在していた。A・B両日程の大問5で共通していたのは、根気と集中力を要する「コツコツ調べる系」の問題であった。もちろん時間をかけるだけでなく、整理して考える力も問われる。図形・速さ・規則性などおなじみの単元もバランスよく、どちらかの日程で確実に出題された。

大問3~6で書き表した式などは、正解しなくとも部分点につながる可能性があるので、限られたスペースでもコンパクトな字でしっかり書き、自分の考えをうまく採点者に伝える意識が重要である。

関西学院中学部 算数分野別出題バランス
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関西学院中学部
国語の出題傾向・対策

A・B日程ともに文章題2題の構成で、文章の種類は論理的文章と文学的文章の2種類だった。

B日程で『今昔物語集』が出題されており、2021年以来となる古典作品からの出題だった。

設問のタイプは例年通り記述問題が中心で、「できるだけ文中のことばを使って答えなさい」という条件があるものが多く出題されている。そのため、文章中から短時間で答えの根拠となる箇所を探しだし、誤字脱字に気をつけて的確に解答を作成しなくてはいけない。

また、字数が指定されていない問題もあるため、解答欄の大きさから必要な字数を推測する練習も必要である。漢字の書き取りは、A日程で16問、B日程で18問出題されているので、確実に得点するために日ごろから漢字に対する意識を高めておく必要がある。

知識問題の出題率が高く、慣用句やことわざだけでなく、品詞の分類、敬語、類義語・対義語など、その種類は多岐にわたっている。過去問を通じて幅広い分野の問題をバランスよく練習しておきたい。

関西学院中学部 国語分野別出題バランス

関西学院中学部
理科の出題傾向・対策

  1. 出題内容
    生物・化学・地学が1題ずつ、物理2題の合計5題の出題であった。小問数は48問で例年並みであるが、化学分野が極端に少なく(小問2題のみ)、その分物理分野が多かった。
  2. 昨年までとの比較
    生物はこん虫に関する知識問題で、関学受験生にとっては取り組みやすいものであった。物理では2013年度以来10年ぶりに磁石と、熱に関する問題が出題された。熱の計算問題は、受験生にはあまりなじみのない計算だけに、やや苦労した1題と思われる。化学はものの体積と温度の関係についての出題で、確実に取れる問題であった。地学は太陽と月に関する問題で、予想通り、皆既月食(時事問題的要素を含む)に関する出題が見られた。
  3. 対策
    学校教科書に載っている生物の実験、観察については、手順や理由、色の変化といった「細部」にわたって身につけておくことが必要。また、計算は、いわゆる標準的な問題が中心なので、「解き方」をしっかり身に着けておくこと。
関西学院中学部 理科分野別出題バランス
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関西学院中学部
入試結果:2023年度

男子

  A日程 B日程
募集人数 65名 25名
志願者数 161名 199名
受験者数 150名 157名
合格者数 75名 46名
実質倍率 2.00倍 3.41倍
  A日程 B日程
算数 国語 理科 算数 国語
受験者平均点 134/200 143/200 61/100 338/500 127/200 141/200 272/400
合格者平均点 -/200 -/200 -/100 -/500 -/200 -/200 -/400
受験者最高点 194/200 180/200 91/100 432/500 200/200 185/200 375/400
合格者最低点 -/200 -/200 -/100 348/500 -/200 -/200 312/400

女子

  A日程 B日程
募集人数 35名 15名
志願者数 93名 162名
受験者数 87名 123名
合格者数 46名 43名
実質倍率 1.89倍 2.86倍
  A日程 B日程
算数 国語 理科 算数 国語
受験者平均点 133/200 156/200 64/100 353/500 132/200 156/200 291/400
合格者平均点 -/200 -/200 -/100 -/500 -/200 -/200 -/400
受験者最高点 192/200 192/200 83/100 443/500 200/200 190/200 387/400
合格者最低点 -/200 -/200 -/100 362/500 -/200 -/200 318/400

関西学院中学部
入試要項:2023年度

  A日程 B日程
募集人数 男子 65名 25名
女子 35名 15名
選抜方法 算・国・理・面接 算・国
出願期間 12/5 ~ 1/6
試験日程 1/14 1/17
合格発表 1/15(web) 1/18(web)
※本年度、面接は中止
  A日程 B日程
算   数 200点(60分) 200点(60分)
国   語 200点(60分) 200点(60分)
理   科 100点(45分)
合   計 500点(165分) 400点(120分)

関西学院中学部
大学合格実績:2022年度

高校卒業生:381名

関西学院大学への進学者数

商学部 75 理学部 2
経済学部 65 工学部 13
法学部 46 国際学部 25
社会学部 50 文学部 28
総合政策学部 10 人間福祉学部 21
神学部 0 教育学部 16
生命環境学部 4 建築学部 7
合計 362

関西学院中学部
過去の入試結果データ

年度 男子 女子
受験者 合格者 実質倍率 合格者最低点 受験者 合格者 実質倍率 合格者最低点
2021 A日程 183 78 2.35 358/500(71.6%) 125 46 2.72 385/500(77.0%)
B日程 174 44 3.95 307/400(76.8%) 131 30 4.37 328/400(82.0%)
2022 A日程 206 78 2.64 354/500(70.8%) 120 45 2.67 369/500(73.8%)
B日程 203 42 4.83 287/400(71.8%) 136 36 3.78 304/400(76.0%)
2023 A日程 150 75 2.00 348/500(69.6%) 87 46 1.89 362/500(72.4%)
B日程 157 46 3.41 312/400(78.0%) 123 43 2.86 318/400(79.5%)

両日程に出願し受験した者には、B 日程に10 点を加算。

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