従来の2日間入試が1日勝負となり、さらにはA・B日程という2度の受験チャンスが設定されてから4年目に突入した。高くなったまま3年間続いた競争倍率であったが、それも今年ようやく少しの落ち着きを見せた。
今年を含めたここ数年、A日程を受けた直後の受験生の感想としては、理科が難しかったという声が多い。
募集人数を見ると非常に狭き門に感じるB日程であるが、実際は合格が多めに出されることもある。特にA・B両日程に挑む受験生にとっては決して無理な戦いではない。
男女共学となった2012年度も、入試が1日に集約された2020年度も、入試問題自体に大きな変化はなかった。「変わらない入試」ゆえに、他の学校よりもはるかに過去問の対策が重要だと言えるだろう。
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2020年度の入試よりA・B日程ともに時間は60分、配点は200点となったが、問題の形式はそれ以前とも変わっていない。
大問1は計算が4題、大問2は一行問題が5題、大問3~6では途中の式や考え方も書き残すよう指示がある。問題用紙は1枚で、計算を書き込むようなスペースはほとんどない。その代わりに計算用紙を1枚配布される。
15年連続で出題されている「グラフを読み取る問題」は、今年もA日程の主役として存在していた。A・B両日程の大問5で共通していたのは、根気と集中力を要する「コツコツ調べる系」の問題であった。もちろん時間をかけるだけでなく、整理して考える力も問われる。図形・速さ・規則性などおなじみの単元もバランスよく、どちらかの日程で確実に出題された。
大問3~6で書き表した式などは、正解しなくとも部分点につながる可能性があるので、限られたスペースでもコンパクトな字でしっかり書き、自分の考えをうまく採点者に伝える意識が重要である。
A・B日程ともに文章題2題の構成で、文章の種類は論理的文章と文学的文章の2種類だった。
B日程で『今昔物語集』が出題されており、2021年以来となる古典作品からの出題だった。
設問のタイプは例年通り記述問題が中心で、「できるだけ文中のことばを使って答えなさい」という条件があるものが多く出題されている。そのため、文章中から短時間で答えの根拠となる箇所を探しだし、誤字脱字に気をつけて的確に解答を作成しなくてはいけない。
また、字数が指定されていない問題もあるため、解答欄の大きさから必要な字数を推測する練習も必要である。漢字の書き取りは、A日程で16問、B日程で18問出題されているので、確実に得点するために日ごろから漢字に対する意識を高めておく必要がある。
知識問題の出題率が高く、慣用句やことわざだけでなく、品詞の分類、敬語、類義語・対義語など、その種類は多岐にわたっている。過去問を通じて幅広い分野の問題をバランスよく練習しておきたい。
男子
A日程 | B日程 | |
---|---|---|
募集人数 | 65名 | 25名 |
志願者数 | 161名 | 199名 |
受験者数 | 150名 | 157名 |
合格者数 | 75名 | 46名 |
実質倍率 | 2.00倍 | 3.41倍 |
A日程 | B日程 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
算数 | 国語 | 理科 | 計 | 算数 | 国語 | 計 | |
受験者平均点 | 134/200 | 143/200 | 61/100 | 338/500 | 127/200 | 141/200 | 272/400 |
合格者平均点 | -/200 | -/200 | -/100 | -/500 | -/200 | -/200 | -/400 |
受験者最高点 | 194/200 | 180/200 | 91/100 | 432/500 | 200/200 | 185/200 | 375/400 |
合格者最低点 | -/200 | -/200 | -/100 | 348/500 | -/200 | -/200 | 312/400 |
女子
A日程 | B日程 | |
---|---|---|
募集人数 | 35名 | 15名 |
志願者数 | 93名 | 162名 |
受験者数 | 87名 | 123名 |
合格者数 | 46名 | 43名 |
実質倍率 | 1.89倍 | 2.86倍 |
A日程 | B日程 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
算数 | 国語 | 理科 | 計 | 算数 | 国語 | 計 | |
受験者平均点 | 133/200 | 156/200 | 64/100 | 353/500 | 132/200 | 156/200 | 291/400 |
合格者平均点 | -/200 | -/200 | -/100 | -/500 | -/200 | -/200 | -/400 |
受験者最高点 | 192/200 | 192/200 | 83/100 | 443/500 | 200/200 | 190/200 | 387/400 |
合格者最低点 | -/200 | -/200 | -/100 | 362/500 | -/200 | -/200 | 318/400 |
A日程 | B日程 | ||
---|---|---|---|
募集人数 | 男子 | 65名 | 25名 |
女子 | 35名 | 15名 | |
選抜方法 | 算・国・理・面接 | 算・国 | |
出願期間 | 12/5 ~ 1/6 | ||
試験日程 | 1/14 | 1/17 | |
合格発表 | 1/15(web) | 1/18(web) |
A日程 | B日程 | |
---|---|---|
算 数 | 200点(60分) | 200点(60分) |
国 語 | 200点(60分) | 200点(60分) |
理 科 | 100点(45分) | ― |
合 計 | 500点(165分) | 400点(120分) |
高校卒業生:381名
商学部 | 75 | 理学部 | 2 |
---|---|---|---|
経済学部 | 65 | 工学部 | 13 |
法学部 | 46 | 国際学部 | 25 |
社会学部 | 50 | 文学部 | 28 |
総合政策学部 | 10 | 人間福祉学部 | 21 |
神学部 | 0 | 教育学部 | 16 |
生命環境学部 | 4 | 建築学部 | 7 |
合計 | 362 |
年度 | 男子 | 女子 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
受験者 | 合格者 | 実質倍率 | 合格者最低点 | 受験者 | 合格者 | 実質倍率 | 合格者最低点 | ||
2021 | A日程 | 183 | 78 | 2.35 | 358/500(71.6%) | 125 | 46 | 2.72 | 385/500(77.0%) |
B日程 | 174 | 44 | 3.95 | 307/400(76.8%) | 131 | 30 | 4.37 | 328/400(82.0%) | |
2022 | A日程 | 206 | 78 | 2.64 | 354/500(70.8%) | 120 | 45 | 2.67 | 369/500(73.8%) |
B日程 | 203 | 42 | 4.83 | 287/400(71.8%) | 136 | 36 | 3.78 | 304/400(76.0%) | |
2023 | A日程 | 150 | 75 | 2.00 | 348/500(69.6%) | 87 | 46 | 1.89 | 362/500(72.4%) |
B日程 | 157 | 46 | 3.41 | 312/400(78.0%) | 123 | 43 | 2.86 | 318/400(79.5%) |
両日程に出願し受験した者には、B 日程に10 点を加算。
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