親和中学校 入試分析 2023年度

2020年度入試から始まった多様性入試の一環として、新たに初日午後に「国語1教科入試」が実施された。

受験者数114名、Sコース合格倍率3.32倍と高い人気を誇り、同時間帯に実施の算数1教科入試、前期Ⅱ(適性検査型入試)の受験者数は減少した。また、後期Ⅲ入試(4日目午前)も新しく実施され、もともと多かった受験方法の選択肢がさらに広がった。受験者数は701名→744名と増加、そして総合進学コースの募集人数が10名減の130名に変更され、よって実質倍率はSコース1.55倍、総合進学コース1.43倍と、例年に比べ狭き門となった。

合格のためには、基本的な内容をしっかりと取りきる力が不可欠である。また、問われていることをじっくり分析する思考力、正確な記述力を養いたい。

親和中学校
算数の出題傾向・対策

基本は大問6題で構成されている。前期Ⅱの適性検査型に関しては大問4題である。小問は20問程度で女子校の中では図形の出題の多さが特徴的である。

ここ数年少なめだと思われていたが、昨年度前期Ⅰでまた図形が多く出題され、今年度も前期Ⅱを除く全ての日程で多く出題されていたため、今後も平面図形・立体図形のどちらも対策が必要である。

大問1は計算5問が基本で、大問2、3は文章題や図形の小問集合である。大問4以降は立体図形、速さ、水量変化など様々な問題が並ぶ。解答用紙は問題用紙と別で、単位の記入は必要ない。前期Ⅱの適性検査型については求め方や式など記述形式も出題される。

親和中学校 算数分野別出題バランス
中学受験専門 進学塾「進学館」の冬期講習2021

親和中学校
国語の出題傾向・対策

本年度より国語1教科入試、および後期Ⅲ入試が追加された。形式は前期Ⅰ、後期Ⅰ、後期Ⅱと変わらず、論理的文章1題・文学的文章1題と、独立した漢字の書き取り問題、知識問題であった。

前期Ⅱでは、例年大問3にあった話し合いの様子や図表を読み取る問題がなくなり、文章題3題と漢字パズル、漢字問題と語句問題の出題となった。

どの日程も字数指定のない記述問題が多く出題されているため、解答欄の大きさから字数を推測し、答えの根拠を文中から素早く見つけて解答を完成させる力が必要である。また、漢字問題や知識問題を確実な得点源とするためにも、日頃からていねいな学習が求められている。

親和中学校 国語分野別出題バランス

親和中学校
理科の出題傾向・対策

  1. 出題内容
    今年の小問数は、物理19問・化学9問・生物6問・地学13問であり、物理分野の出題数が多かった。
  2. 昨年までとの比較
    4~5年前まで小問数は増加傾向であったが、今年は昨年度と変わらず47問だった。作図や理由説明等、記述式の問題も例年通り出題されている。単に知識を問うだけでなく、資料や条件等を読み取って思考させる問題も見られた。
  3. 対策
    基本的な内容をしっかりとおさえた上で、現象の理由や、実験操作とその理由、結果等を答える練習が必要である。また、小学校で習わない内容であっても、与えられた条件や説明、図などを見て考える力を養っておきたい。
親和中学校 理科分野別出題バランス

親和中学校
社会の出題傾向・対策

大問1は「描かれた神戸と身近な歴史」、大問2は「戦後日本の国際関係」、大問3は「現代社会」、大問4は「世界の国々」、大問5は「日本の都道府県」。地理2題・歴史2題・公民1題とバランスの良い構成となっている。

記述・記号ともに問われる知識は標準的で、テキスト太字レベルの定着度合が得点を大きく左右する。他方、奈良時代の台帳を読み取る問題、ウクライナ情勢や新紙幣を扱った時事問題、東北地方の米収穫量や庄内平野の水田面積を答えさせる計算問題など、特徴的な出題も見られる。

話題となったニュースに関心を持っておくこと、および過去問などで類題に触れておくことが対策として有効である。

親和中学校 社会分野別出題バランス
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親和中学校
入試結果:2023年度

  前期Ⅰ 前期Ⅱ 後期Ⅰ 後期Ⅱ 後期Ⅲ 算数1教科 国語1教科
S 総合進学 S 総合進学 S 総合進学 S 総合進学 S 総合進学 S 総合進学 S 総合進学
募集人数 S 60名
総合進学 130名
志願者数 41名 29名 70名 9名 104名 54名 175名 48名 38名 15名 63名 13名 87名 31名
受験者数 39名 25名 70名 9名 99名 52名 161名 44名 25名 9名 60名 13名 83名 31名
合格者数 29名 26名 62名 10名 61名 63名 109名 60名 17名 10名 42名 17名 25名 70名
実質倍率 S 1.55倍
総合進学 1.43倍

合格者数は、重複合格・回し合格も含む

総合進学の受験者数は、総合進学を第1志望として受験した人数

総合進学の実質倍率は、回し合格の人数も含む

※スマートフォンは横スクロールでご覧ください。

  前期Ⅰ 前期Ⅱ
算 数 国 語 理 科 社 会 数理的分野 言語的分野
受験者平均点 -/100 -/100 -/80 -/80 153.3/280 -/100 -/100 133.8/200
合格者平均点 S 51.1/100 75.4/100 51.3/80 63.0/80 179.5/280 73.9/100 67.9/100 141.7/200
総合進学 30.7/100 69.3/100 41.2/80 48.0/80 142.8/280 62.8/100 61.7/100 124.5/200
合格者最高点 S -/100 -/100 -/80 -/80 236/280 -/100 -/100 174/200
総合進学 -/100 -/100 -/80 -/80 195/280 -/100 -/100 143/200
合格者最低点 S -/100 -/100 -/80 -/80 151/280 -/100 -/100 109/200
総合進学 -/100 -/100 -/80 -/80 114/280 -/100 -/100 98/200

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  後期Ⅰ 後期Ⅱ 後期Ⅲ 算数1教科 国語1教科
算数 国語 算数 国語 算数 国語 算数 国語
受験者
平均点
-/100 -/100 95.7/200 -/100 -/100 124.0/200 -/100 -/100 122.1/200 62.6/100 52.3/100
合格者
平均点
S 52.9/100 64.4/100 117.3/200 78.0/100 66.9/100 144.9/200 82.8/100 64.8/100 147.6/200 72.8/100 68.0/100
総合進学 36.0/100 53.7/100 99.7/200 58.2/100 56.0/100 100.3/200 62.0/100 56.7/100 118.7/200 55.9/100 52.3/100
合格者
最高点
S -/100 -/100 172/200 -/100 -/100 190/200 -/100 -/100 186/200 97/100 79/100
総合進学 -/100 -/100 173/200 -/100 -/100 165/200 -/100 -/100 161/200 92/100 71/100
合格者
最低点
S -/100 -/100 96/200 -/100 -/100 119/200 -/100 -/100 125/200 57/100 61/100
総合進学 -/100 -/100 80/200 -/100 -/100 96/200 -/100 -/100 91/200 47/100 42/100

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親和中学校
入試要項:2023年度

  前期Ⅰ 前期Ⅱ 算数1教科 国語1教科 後期Ⅰ 後期Ⅱ 後期Ⅲ
募集
人数
S 60名
総合進学 130名
選抜方法 算・国・理・社or
算・国・理or
算・国・社
適性検査 算数 国語 算・国
出願期間 12/12 ~ 1/11 12/12~1/16
試験日程 1/14 1/14午後 1/15 1/15午後 1/17
合格発表 1/15(Web) 1/16(Web) 1/17(Web)
  前期Ⅰ 後期Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ 算数1教科 国語1教科 前期Ⅱ
算数 100点(50分) 100点(50分) 100点(50分) 数理的分野 100点(50分)
国語 100点(50分) 100点(50分) 100点(50分) 言語的分野 100点(50分)
理科 80点(40分)
社会 80点(40分)
合計 280点(180分) 200点(100分) 100点(50分) 100点(50分) 合計 200点(100分)

前期Ⅰ4科受験は算数・国語・理科or算数・国語・社会の合計点で判定

後期ⅠSコースは100+100=200点で判定
総合進学コースは得点の高い方×1.5+低い方×0.5=200点で判定

親和中学校
大学合格実績:2022年度

高校卒業生:182名

国公立大学への合格者数

神戸大 1
大阪公立大 2

上記人数は過年度生を含む。

私立大学への合格者数

早稲田大 2
関西学院大 33
関西大 35
同志社大 22
立命館大 13

上記人数は過年度生を含む。

親和中学校
過去の入試結果データ

S 受験者 合格者 実質倍率 合格者最低点
年  度 前期Ⅰ 前期Ⅱ(適性検査型) 後期Ⅰ 後期Ⅱ 後期Ⅲ 算数1教科 国語1教科
2020 584 406 1.44 147/280(52.5%) 100/200(50.0%) 115/200(57.5%) 100/200(50.0%)
2021 558 412 1.35 142/280(50.7%) 96/200(48.0%) 124/200(62.0%) 114/200(57.0%)
2022 519 416 1.25 152/280(54.3%) 99/200(49.5%) 100/200(50.0%) 102/200(51.0%) 51/100(51.0%)
2023 539 347 1.55 151/280(53.9%) 109/200(54.5%) 96/200(48.0%) 119/200(59.5%) 125/200(62.5%) 57/100(57.0%) 61/100(61.0%)
総合
進学
受験者 合格者 実質倍率 合格者最低点
年  度 前期Ⅰ 前期Ⅱ(適性検査型) 後期Ⅰ 後期Ⅱ 後期Ⅲ 算数1教科 国語1教科
2020 211 326 1.19 111/280(39.6%) 81/200(40.5%) 69/200(34.5%) 78/200(39.0%)
2021 268 335 1.24 112/280(40.0%) 74/200(37.0%) 82/200(41.0%) 84/200(42.0%)
2022 182 224 1.27 128/280(45.7%) 79/200(39.5%) 82/200(41.0%) 76/200(38.0%) 43/100(43.0%)
2023 205 278 1.43 114/280(40.7%) 98/200(49.0%) 80/200(40.0%) 96/200(48.0%) 91/200(45.5%) 47/100(47.0%) 42/100(42.0%)

受験者数・合格者数は他の多様性入試を含めた人数

合格者数は、重複合格・回し合格も含む

総合進学の実質倍率は、回し合格の人数も含む

総合進学の受験者数は、総合進学を第1志望として受験した人数

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