2023年度の一般適性検査では、①検査曜日の変更(火曜日→水曜日)、②会場の変更(三宮研修センター→神戸常盤アリーナ)の2点で変化があった。
①により六甲Bや関西学院Bと別日実施となったことの影響であろうか、志願者数は780人→963人と大きく増えた。また、男子の志願者数が女子の志願者数を超えたのは2015年度の適性検査開始以降初めてで、特筆すべき事項である。
一方、実際の受検者は昨年に比べて減少した。これは日程が後ろにずれたことで、KUの適性検査前に進路が決定した生徒が受検を回避したためと考えられる。その結果、合格者数は昨年度より27人減少し、過去3年間で最も狭き門となった。
検査の内容としては、各領域とも分析力・記述力が問われる傾向に変わりはない。各科目の土台強化を大前提としつつ、KUに特化した対策を講じていくことが肝要である。
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例年通り、大問4題の出題であった。出題内容は過去に出題されていたような特徴的な問題は少なく、昨年度に引き続きスタンダードなものが多かった。例年、大問1は5題の小問集合で、ここでしっかりと得点できるように算数の基礎力を鍛えておきたい。
大問2以降はすべて会話文で、これは昨年度と同じ出題傾向である。大問2、3は問題文をしっかり読み、条件を整理して考える力が試される出題となっていた。大問4では図形についての説明が出題された。考え方や説明を書く問題は頻出であるので、式や図を用いて、簡潔な文章で考え方や説明を書くことができるように対策をとっておく必要がある。
例年、大問2に文学的文章が出題されていたが、今年は狂言に関する論理的文章が出題された。そのため、大問1~3はすべて論理的文章を読み取る問題となった。大問4では、昨年に続き、漢字の書き取りの問題はなく、百人一首の穴埋め問題が出題された。
会話文と資料を読み取る問題、文章の内容を自分の実生活の中から見つけ説明する問題、「目玉焼き」の辞書での意味を考えて説明する問題など、見つける力・調べる力・まとめる力・発表する力を意識した特有の問題が出ている。
文章と設問の条件を読んで、自分の言葉で記述する問題が多いため、語彙力や記述力、初見の問題への対応力などを身に付けておきたい。
大問1は「菜の花」を素材とした理社共通問題。大問2は「香川県の讃岐三白」にまつわる地理の問題。大問3は「江戸時代と明治時代の教育」についての歴史の問題。大問4は「ユネスコスクール」に関連付けた現代社会に関する問題。
KUの一般的な出題傾向としては、①グラフ・統計・史料に絡めた問題が多いこと、②AIやコロナ禍など「いま」に立脚した問題、「いま」を考えさせる問題が多いことが挙げられる。
私立中の社会とは明らかに一線を画した内容・形式のため、KUに特化した教材および過去問を用いて、情報を「見つける」練習、考えを「まとめる」トレーニングを積んでおくことが必須である。
自然環境 | 市民社会 | |
---|---|---|
募集人数 | 男女あわせて120名 | |
志願者数 | 510名 | 46名 |
受検者数 | 298名 | 35名 |
合格者数 | 57名 | 4名 |
実質倍率 | 5.23倍 | 8.75倍 |
数理探究 | 言語表現 | 自然環境 | 市民社会 | 総合点 | |
---|---|---|---|---|---|
受検者平均点 | 59.8/100 | 50.6/100 | 64.5/100 | 67.2/100 | 214.5/340 |
合格者平均点 | 79.1/100 | 66.4/100 | 79.3/100 | 84.8/100 | 264.7/340 |
受検者最高点 | 97/100 | 80/100 | 95/100 | 92/100 | 298/340 |
合格者最低点 | -/100 | -/100 | -/100 | -/100 | 250/340 |
総合点は検査合計に学びの報告書を加えた値です。
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自然環境 | 市民社会 | |
---|---|---|
募集人数 | 男女あわせて120名 | |
志願者数 | 278名 | 129名 |
受検者数 | 208名 | 76名 |
合格者数 | 35名 | 22名 |
実質倍率 | 5.94倍 | 3.45倍 |
数理探究 | 言語表現 | 自然環境 | 市民社会 | 総合点 | |
---|---|---|---|---|---|
受検者平均点 | 55.6/100 | 55.5/100 | 62.5/100 | 69.2/100 | 214.9/340 |
合格者平均点 | 76.2/100 | 68.9/100 | 77.1/100 | 83.1/100 | 264.2/340 |
受検者最高点 | 97/100 | 85/100 | 91/100 | 95/100 | 291/340 |
合格者最低点 | -/100 | -/100 | -/100 | -/100 | 249/340 |
総合点は検査合計に学びの報告書を加えた値です。
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募集人数 | 男女あわせて120名 | |||||||||
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選抜方法 | 数理探究・言語表現・自然環境or市民社会・学びの報告書 | |||||||||
出願期間 | 12/2~12/6 | |||||||||
検査日程 | 1/18 | |||||||||
合格発表 | 1/21(web) |
数理探究 | 100点(50分) | |||||
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言語表現 | 100点(50分) | |||||
自然環境 | 100点(50分) | |||||
市民社会 | 100点(50分) | |||||
学びの報告書 | 40点 | |||||
総合点 | 340点(150分) |
自然環境・市民社会選択制
高校卒業生:108名
東京大(現役) | 5 (5) |
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京都大(現役) | 13 (11) |
大阪大(現役) | 11(9) |
神戸大(現役) | 14 (9) |
大阪公立大(現役) | 6 (4) |
早稲田大(現役) | 7 (5) |
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慶應義塾大 | 2 |
関西学院大(現役) | 39(27) |
関西大(現役) | 21(10) |
同志社大(現役) | 31(14) |
立命館大(現役) | 22(11) |
年 度 | 選択科目 | 男子 | 女子 | ||||||
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受検者 | 合格者 | 実質倍率 | 合格者最低点 | 受検者 | 合格者 | 実質倍率 | 合格者最低点 | ||
2019 | 自然環境 | 286 | 63 | 4.54 | 266/360(73.9%) | 372 | 55 | 6.76 | 280/360(77.8%) |
市民社会 | 28 | 3 | 9.33 | 147 | 21 | 7.00 | |||
2020 | 自然環境 | 246 | 61 | 4.03 | 275/360(76.4%) | 287 | 46 | 6.24 | 284/360(78.9%) |
市民社会 | 34 | 3 | 11.33 | 130 | 31 | 4.19 | |||
2021 | 自然環境 | 185 | 67 | 2.76 | 256/360(71.1%) | 282 | 56 | 5.04 | 267/360(74.2%) |
市民社会 | 24 | 4 | 6.00 | 116 | 39 | 2.97 | |||
2022 | 自然環境 | 257 | 59 | 4.36 | 229/340(67.4%) | 241 | 53 | 4.55 | 237/340(69.7%) |
市民社会 | 22 | 2 | 11.00 | 104 | 31 | 3.35 | |||
2023 | 自然環境 | 298 | 57 | 5.23 | 250/340(73.5%) | 208 | 35 | 5.94 | 249/340(73.2%) |
市民社会 | 35 | 4 | 8.75 | 76 | 22 | 3.45 |
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