合格者最低点は274点と例年並みであった。しかし、各科目の平均点は理科が上昇し、算数が下降している。理科は得点できる問題がはっきりしており、受験生は例年になく手応えを感じたであろう。
一方、算数は平均点が下がっているものの、その中身は良問ぞろいであった。受験者と合格者の平均点に乖離が見られることからも、受験生の実力差が現れやすかったと考えられる。ただし、2日目の算数の受験者平均点が50点を切っており、来年はやや易化すると予想される。
難問に重点を置いた学習は賢明ではない。昨年大きく下がった実質倍率は揺り戻しが見られたものの、一昨年までの平均値には至っておらず、来年は男子最難関校の復活に注目される。
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例年と比べて形式上の変化はない。ここ数年平均点が60点付近で推移し、かつ昨年度第一日の平均点が70点を超えていたが、今年度は揺り戻す結果となった。
昨年比で平均点は2日とも下がったが、問題が急激に難化したわけではなく、各問少しずつ正答率が下がった結果と想定される。
分野としては引き続き数論と図形が多く出題されている。書き出す中で規則に気づくこと、問題用紙の空いたスペースに手際よく必要な図やダイヤグラムを描いて整理するなど、要求される解答姿勢・論点も例年通りである。
第一日大問5は図形が与えられていない問題で、2年前にも出題された。作図してみると過去問のリメイク問題が現れる。第二日大問5も、過去に出題されたテーマにさらに磨きをかけた問題になっている。立体切断自体は甲陽の定番で、長らく立方体が題材になることが多かったが、今年は久々にすい体の切断で出題された。このことからも、過去問演習と研究が合格対策のためには必須であることがわかる。
1日目は1題目に論説文、2題目に物語文、2日目は1題目に随筆文、2題目に物語文が出題された。
出題された文章については例年と同様に最新の著作から選ばれており、最近出版された本を採用する学校側の心意気は変わっていない。問題についても難解な記述問題が多く出題されるという例年の傾向と変わりはなかった。記述の字数、難易度についても例年と同じような試験だったので、甲陽に向けた学習を積んできた受験生には力を発揮しやすい問題だったといえる。
出題される文章のテーマや記述問題の傾向が大きく変化する学校ではないので、過去問の文章内容・設問内容・解答と根拠の導き出し方について、暗記するほど解いておく必要がある。また、漢字語句は貴重な得点源となるので、こちらも日々の学習の積み重ねが必須である。
募集人数 | 200名 |
---|---|
志願者数 | 381名 |
受験者数 | 366名 |
合格者数 | 221名 |
実質倍率 | 1.66倍 |
算 数 | 国 語 | 理 科 | 計 | ||
---|---|---|---|---|---|
受験者平均点 | 1日目 | 53.2/100 | 58.4/100 | 64.2/100 | -/500 |
2日目 | 47.6/100 | 59.0/100 | ― | ||
計 | 100.8/200 | 117.4/200 | 64.2/100 | ||
合格者平均点 | 115.0/200 | 125.5/200 | 67.9/100 | 308.4/500 | |
合格者最高点 | 174/200 | 165/200 | 87/100 | 385/500 | |
合格者最低点 | -/200 | -/200 | -/100 | 274/500 |
募集人数 | 200名 |
---|---|
選抜方法 | 算・国・理 |
出願期間 | 12/20~1/5 |
試験日程 | 1/14・1/15 |
合格発表 | 1/16(掲示) |
1日目 | 2日目 | |
---|---|---|
算 数 | 100点(55分) | 100点(55分) |
国 語 | 100点(55分) | 100点(55分) |
理 科 | 100点(55分) | ― |
合 計 | 500点(275分) |
東京大(現役) | 16(12) |
---|---|
京都大(現役) | 53(38) |
大阪大(現役) | 14(10) |
神戸大(現役) | 26(14) |
大阪公立大(現役) | 17 (7) |
早稲田大 | 7 |
---|---|
慶應義塾大(現役) | 12 (1) |
同志社大(現役) | 50 (3) |
年 度 | 受験者 | 合格者 | 実質倍率 | 合格者最低点 |
---|---|---|---|---|
2019 | 393 | 220 | 1.79 | 280/500(56.0%) |
2020 | 383 | 217 | 1.76 | 288/500(57.6%) |
2021 | 380 | 215 | 1.77 | 285/500(57.0%) |
2022 | 327 | 211 | 1.55 | 301/500(60.2%) |
2023 | 366 | 221 | 1.66 | 274/500(54.8%) |
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