甲陽学院中学校 入試分析 2023年度

合格者最低点は274点と例年並みであった。しかし、各科目の平均点は理科が上昇し、算数が下降している。理科は得点できる問題がはっきりしており、受験生は例年になく手応えを感じたであろう。

一方、算数は平均点が下がっているものの、その中身は良問ぞろいであった。受験者と合格者の平均点に乖離が見られることからも、受験生の実力差が現れやすかったと考えられる。ただし、2日目の算数の受験者平均点が50点を切っており、来年はやや易化すると予想される。

難問に重点を置いた学習は賢明ではない。昨年大きく下がった実質倍率は揺り戻しが見られたものの、一昨年までの平均値には至っておらず、来年は男子最難関校の復活に注目される。

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甲陽学院中学校
算数の出題傾向・対策

例年と比べて形式上の変化はない。ここ数年平均点が60点付近で推移し、かつ昨年度第一日の平均点が70点を超えていたが、今年度は揺り戻す結果となった。

昨年比で平均点は2日とも下がったが、問題が急激に難化したわけではなく、各問少しずつ正答率が下がった結果と想定される。

分野としては引き続き数論と図形が多く出題されている。書き出す中で規則に気づくこと、問題用紙の空いたスペースに手際よく必要な図やダイヤグラムを描いて整理するなど、要求される解答姿勢・論点も例年通りである。

第一日大問5は図形が与えられていない問題で、2年前にも出題された。作図してみると過去問のリメイク問題が現れる。第二日大問5も、過去に出題されたテーマにさらに磨きをかけた問題になっている。立体切断自体は甲陽の定番で、長らく立方体が題材になることが多かったが、今年は久々にすい体の切断で出題された。このことからも、過去問演習と研究が合格対策のためには必須であることがわかる。

甲陽学院中学校 算数分野別出題バランス
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甲陽学院中学校
国語の出題傾向・対策

1日目は1題目に論説文、2題目に物語文、2日目は1題目に随筆文、2題目に物語文が出題された。

出題された文章については例年と同様に最新の著作から選ばれており、最近出版された本を採用する学校側の心意気は変わっていない。問題についても難解な記述問題が多く出題されるという例年の傾向と変わりはなかった。記述の字数、難易度についても例年と同じような試験だったので、甲陽に向けた学習を積んできた受験生には力を発揮しやすい問題だったといえる。

出題される文章のテーマや記述問題の傾向が大きく変化する学校ではないので、過去問の文章内容・設問内容・解答と根拠の導き出し方について、暗記するほど解いておく必要がある。また、漢字語句は貴重な得点源となるので、こちらも日々の学習の積み重ねが必須である。

甲陽学院中学校 国語分野別出題バランス

甲陽学院中学校
理科の出題傾向・対策

  1. 出題内容
    例年通り、物理2題、化学2題、生物1題、地学1題であった。慣性力という中学入試では珍しい題材が出題された。
  2. 昨年までとの比較
    大問1ではヒトの誕生、昆虫に関する出題である。生物実験に関する問いは解きやすいものである。大問2の天気は学校教科書を意識した出題である。大問3の光はひらめきが求められる解法である。大問4の中和は難解であるが甲陽頻出の問題である。大問5の慣性力はこれまでの傾向にないデータの読み取りが必要である。大問6は頻出の燃焼に関する問題である。過去問対策を積んでいれば、化学2題は攻略できるが、物理2題はややてこずったのはないかと予想される。
  3. 対策
    生物は題意を読み取り表現する練習が必要である。地学は学校教科書の学習を大切にしたい。物理・化学は計算力は当然で、合否を分けるのは整理力である。実験手順やデータにある情報を整理すると正解にたどりつける。普段のノート学習で考え方を整理することを心掛けてほしい。
甲陽学院中学校 理科分野別出題バランス
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甲陽学院中学校
入試結果:2023年度

募集人数 200名
志願者数 381名
受験者数 366名
合格者数 221名
実質倍率 1.66倍
  算   数 国   語 理   科
受験者平均点 1日目 53.2/100 58.4/100 64.2/100 -/500
2日目 47.6/100 59.0/100
100.8/200 117.4/200 64.2/100
合格者平均点 115.0/200 125.5/200 67.9/100 308.4/500
合格者最高点 174/200 165/200 87/100 385/500
合格者最低点 -/200 -/200 -/100 274/500

※スマートフォンは横スクロールでご覧ください。

甲陽学院中学校
入試要項:2023年度

募集人数 200名
選抜方法 算・国・理
出願期間 12/20~1/5
試験日程 1/14・1/15
合格発表 1/16(掲示)
  1日目 2日目
算   数 100点(55分) 100点(55分)
国   語 100点(55分) 100点(55分)
理   科 100点(55分)
合   計 500点(275分)

甲陽学院中学校
大学合格実績:2022年度

国公立大学への合格者数

東京大(現役) 16(12)
京都大(現役) 53(38)
大阪大(現役) 14(10)
神戸大(現役) 26(14)
大阪公立大(現役) 17 (7)

私立大学への合格者数

早稲田大 7
慶應義塾大(現役) 12 (1)
同志社大(現役) 50 (3)

甲陽学院中学校
過去の入試結果データ

年  度 受験者 合格者 実質倍率 合格者最低点
2019 393 220 1.79 280/500(56.0%)
2020 383 217 1.76 288/500(57.6%)
2021 380 215 1.77 285/500(57.0%)
2022 327 211 1.55 301/500(60.2%)
2023 366 221 1.66 274/500(54.8%)

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