三田学園中学校 入試分析 2023年度

例年通り、前期Ａ日程・前期Ｂ日程ともに論説文・物語文が各1題と漢字・語句・文法の知識を問う問題が出題された。本年度の文章読解において、記号問題は本文根拠が明確で得点しやすかったと考えられるが、記述問題は要点や対比構造を意識しながらまとめる必要があり、要約力を意識した記述練習の必要性を感じさせた。

特に論説文は、内容が難解なことに加えて文中に傍線部や空所も密に配置されているので、混乱せずに文章の流れを掴むことがポイントになった。また、文の構造や文法的知識についての問題も頻繁に出題されるので、過去問を通して問題傾向を知ることが重要である。（後期日程は問題非公表）

1. 出題内容
   物理分野と生物分野がそれぞれ3割以上出題された。一方、地学分野は飽和水蒸気量のグラフの読み取りと湿度の計算の2問しか出題されなかった。
2. 昨年までとの比較
   昨年は基本的な知識を問うものが多かったが、今年は単なる知識だけではなく、与えられた条件や式、図を参考にして思考させる出題も見られた。
3. 対策
   小学校の教科書内容の知識を定着させるとともに、与えられた資料や条件から考察する力も身につけたい。また、計算問題は毎年出題されており、物理・化学分野だけでなく、地学や生物の計算問題も練習しておきたい。

歴史分野からの出題が半数近くを占める学校だが、近年減少傾向が見られ、今年度は地理分野と同じ割合となった。時事内容に絡めての社会知識を問う問題は過去にも見られたが、時事そのものを問う問題が今年度出題され、より一層現代社会への関心を持っておく必要がある。
図やグラフ、資料の読み取り問題が多いが、提示された問題文や図表を落ち着いて読むことで、得点できるように難易度が設定されている。頻出は「用語/出来事を解説させる記述問題」と「世界の国々に関する知識問題」で、特に今年度も出題があった「気候グラフの説明」と「主要な国々の位置」はおさえておくべきである。