令和5年の5月に新型コロナウイルス感染症が5類に移行したため、2024年はコロナ明け初めての入試となりました。
受験当日の応援については、学校側からの要請にも変化がありました。コロナ禍前のように学校内での入試応援を解禁する学校もみられた一方で、少人数に限り応援可能な学校や引き続き応援自粛を求める学校など様々でした。ただし、年末にインフルエンザが流行するとの報道もあったため、受験生にとっては手洗いうがいの励行とマスク着用が続く入試となりました。そのため、多くの受験生が勉強と体調の両方を気遣いながら、粛々と統一入試日の1月13日を迎えました。
入試期間中は、早朝に雪がちらつく地域があったものの、天候にも恵まれ、雪による交通遅延なども起きませんでした。交通トラブルが起きなかったことで、ますます盛んになりつつある午後入試も滞りなく進められました。
午後入試が盛んになった背景には、WEBを用いた出願や合否の確認ができる学校が近年増え続けていることが挙げられます。昨年度は近畿2府4県の141校中127校がWEB出願を導入していましたが、2024年度は新たに東大寺学園や神戸女学院などがWEB出願を導入しました。出願手続きの手間が省け、合否発表や入学の手続きも簡略化されるため、今後も導入する学校が増えていくと予想されます。
また、コロナによる影響で受験勉強の開始が遅れたり、十分な受験勉強が積めなかったりしたことから、近年は安全志向で学校を選ぶご家庭が多くみられました。例えば、関関同立系の大学附属校を受験するケースや最難関校の受験を回避して難関校を受験するケースなどが挙げられます。
それに対して2024年度入試では、安全志向から挑戦志向に戻ったように感じました。例えば、統一入試日に入試がある関学系列、関大系列は志願者数が減少傾向になり、灘・甲陽学院・洛南高附属・東大寺学園などの最難関校志願者が増加傾向になったことが挙げられます。
受験者の動向が揺れ動く中で、生徒数獲得に向けた学校の動きも見られました。昨年度から大きな変更点があった学校を列挙すると、男子校から一部コースが共学化した滝川、高校に進学した際に男女併学から男女共学に変更となる帝塚山、募集人員で男女比を撤廃した三田学園など、共学校を志願する生徒や保護者の選択肢を広げる変更がありました。他にも、コースの改編を行った甲南と親和も、来たる大学入試に向けて、それぞれの学校の特色を盛り込みながら、中学校の段階から変更をかける姿勢がうかがえました。
魅力ある数多くの中学校から我が子に合う学校を見定め、受験プランを策定していくことは、情報過多の時代において大変な労力と時間を割くものと感じます。
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