甲南中学校 入試分析 2025年度

昨年度と比較し、2コースを合わせた実質倍率は、前期Ⅰで微増(1.40倍→1.43倍)、Ⅰ期午後・Ⅱ期で微減(Ⅰ期午後1.57倍→1.56倍、Ⅱ期1.95倍→ 1.84倍)、Ⅲ期で大幅減(4.69倍→1.78倍) という結果だった。
ただし、フロントランナーコースについては、全日程で昨年度よりも狭き門となった(Ⅰ 期午前3.00倍→3.88倍、Ⅰ期午後2.32倍→2.53倍、Ⅱ期2.79倍→4.09倍、Ⅲ期5.56倍→10.20倍)。近年の傾向通りフロントランナーコースの人気がうかがえる結果で、後半の日程ではその傾向が著しい。
ただし、メインストリームコースの実質倍率は大きく変化しておらず、特にⅢ期ではメインストリームコースの合格者が増加していた。合格のために、基本を疎かにしない姿勢を徹底したい。

甲南中学校
算数の出題傾向・対策

どの日程も問題用紙2枚解答用紙1枚の構成で、大問は4~5題であった。
点数を安定させるためには、大問1の計算問題と大問2の一行問題を得点源にすべきである。
大問1では、逆算や単位計算の問題で差がつく。どのような問題も確実に正解できるよう、計算日々プリ等で十分に演習を重ねた上で本番に臨みたい。
大問2では、幅広い単元からの出題が見られた。いずれの日程でも、テキストの基本問題・標準問題レベルの問題が出題されている。典型的な問題をスラスラと解けるようになることを目標に反復学習を行い、苦手単元をなくすことが重要である。
大問3以降は小問3~4題で構成されたやや難解な問題が並ぶ。落ち着いて問題を読み、各大問の(1)、(2)を中心に着実に得点することを心掛けたい。
日頃から、ミスなく正確に計算する力を磨き、極端な苦手単元を作ってしまわないようにバランス良く単元学習を行った上で、日程によらず過去問に触れることで、自信を持って受験することができるだろう。

甲南中学校 算数分野別出題バランス
中学受験専門 進学塾「進学館」の冬期講習2021

甲南中学校
国語の出題傾向・対策

Ⅰ期午前a…論説文1題・随筆文1題・知識問題1題。
Ⅰ期午後…論説文1題・詩の鑑賞文1題・知識問題3題。Ⅱ期…物語文1題・論説文1題・知識問題1題。Ⅲ期…随筆文1題・知識問題2題。昨年度に引き続き、純粋な物語文は全体を通じて1題のみで、その他の文章は論説文・随筆文であった。
一昨年・昨年と異なり、独立した大問としての作文の出題は無かったが、Ⅰ期午後以外の日程で、文章読解の一部として作文の問題が出題された。甲南中学校ではこのような作文タイプの問題が頻出であるので、過去問を通じて十分に形式に慣れるとともに、普段から少し長めの文章を書き慣れておくことが大切である。
また、全体を通じて記述量が多いため、文章の流れと要点を素早くとらえ、時間配分を考えながら書き進めていく必要がある。
さらに、甲南中学校では、韻文の知識や文学史の知識が問われることも大きな特徴である。詩や俳句の基本的な知識、著名な作家とその作品についての知識はきちんとおさえておきたい。

甲南中学校 国語分野別出題バランス

甲南中学校
理科の出題傾向・対策

  1. 出題内容
    Ⅰ期午前・Ⅰ期午後ともに物理・化学・生物・地学が各1題ずつの計4題の出題であった。
    Ⅰ期午前は溶解度(化学)、ボーリング調査と地震の周期(地学)、ふりこの動き(物理)、光合成・ウキクサの成長に関する出題だった。
    またⅠ期午後は水溶液の性質・気体の発生(化学)、日時計(地学)、昆虫(生物)、乾電池と豆電球(物理)に関する出題だった。
  2. 昨年までとの比較
    小問数はⅠ期午前が37問、Ⅰ期午後が35問と例年通りで、今年も4分野からバランスよく出題されている。
    また20字程度の記述問題も引き続き出題されている。問題レベルは昨年度と大きく変化しておらず、基礎的な知識問題から難度の高い計算問題・実験考察問題まで幅広く出題されている。
  3. 対策
    以前のように学校教科書レベルの問題は少なくなり、標準的な中学受験理科レベルの出題が中心となっている。
    とくに物理分野の問題の難度が高く、上位コース(フロントランナー)の合格を目指すなら力学や電気の十分な練習が必須だ。
甲南中学校 理科分野別出題バランス
進学館 9月期募集
進学館 体験授業受付中

甲南中学校
入試結果:2025年度

フロントランナー Ⅰ期午前 Ⅰ期午後 Ⅱ期 Ⅲ期
募集人数 30名 10名 5名
志願者数 74名 212名 185名 99名
受験者数 66名 202名 94名 51名
合格者数 フロントランナー 17名 80名 23名 5名
メインストリーム 30名 70名 41名 31名
実質倍率 3.88倍 2.53倍 4.09倍 10.20倍

実質倍率は、回し合格者数を除く

メインストリーム Ⅰ期午前 Ⅰ期午後 Ⅱ期 Ⅲ期
募集人数 85名 15名 5名
志願者数 74名 68名 72名 50名
受験者数 73名 67名 31名 22名
合格者数 50名 22名 4名 5名
実質倍率 1.51倍 2.04倍 2.24倍 1.86倍

メインストリームを第一志望とする受験者数

実質倍率は学校発表のものをそのまま表記しています

フロントランナー Ⅰ期午前a Ⅰ期午後 Ⅱ期 Ⅲ期
合格者平均点 220.8/300 244.1/300 164.9/200 175.0/200
合格者最高点 234/300 291/300 180/200 182/200
合格者最低点 211/300 220/300 157/200 167/200

※横スクロールでご覧ください

メインストリーム Ⅰ期午前a Ⅰ期午後 Ⅱ期 Ⅲ期
合格者平均点 194.7/300 210.6/300 144.6/200 148.0/200
合格者最高点 210/300 243/300 152/200 164/200
合格者最低点 171/300 192/300 133/200 132/200

※横スクロールでご覧ください

フロントランナー・メインストリーム全体 Ⅰ期午前a Ⅰ期午後 Ⅱ期 Ⅲ期
算数 国語 理科 算数 国語 理科 算数 国語 算数 国語
受験者平均点 63.6/100 52.2/100 62.6/100 168.8/300 55.9/100 67.4/100 70.9/100 194.2/300 62.1/100 67.4/100 129.5/200 67.0/100 61.1/100 128.1/200
受験者最高点 91/100 82/100 91/100 100/100 97/100 100/100 98/100 89/100 100/100 92/100

Ⅰ期午前b方式の得点は、非公表

メインストリームの点数は、フロントランナーからの第二志望者の得点を含んで算出

メインストリームの合格者平均点・合格者最高点・合格者最低点は、優遇措置換算後の点数

※横スクロールでご覧ください

甲南中学校
入試要項:2025年度

Ⅰ期午前 Ⅰ期午後 Ⅱ期 Ⅲ期
募集
人数
フロントランナー 30名 10名 5名
メインストリーム 85名 15名 5名
選抜方法 算・国・理 算・国
出願期間 12/16~1/7 12/16~1/20
試験日程 1/18 1/18午後 1/19午後 1/21午後
合格発表 1/19(Web) 1/20(Web) 1/22(Web)
Ⅰ期午前a Ⅰ期午後 Ⅱ期 Ⅲ期
算数 100点(50分) 100点(40分) 100点(50分) 100点(40分)
国語 100点(50分) 100点(40分) 100点(50分) 100点(40分)
理科 100点(50分) 100点(40分)
合計 300点(150分) 300点(120分) 200点(100分) 200点(80分)

甲南中学校
大学合格実績:2024年度

高校卒業生:179名

国公立大学

大阪大(現役) 3(3)
神戸大(現役) 2(1)

私立大学

慶應義塾大(現役) 3(2)
関西学院大(現役) 23(22)
関西大(現役) 9(9)
同志社大(現役) 17(11)
立命館大(現役) 31(26)

甲南大学への進学者数

経営学部 35 知能情報学部 0
経済学部 16 フロンティアサイエンス学部 0
法学部 10 マネジメント創造学部 13
文学部 8 STAGE 4
理工学部 3 合計 89

コース改編後(2024年度・2025年度)のデータ

フロントランナー Ⅰ期午前 Ⅰ期午後 Ⅱ期 Ⅲ期
年 度 受験者 合格者 実質倍率 合格者最低点 受験者 合格者 実質倍率 合格者最低点 受験者 合格者 実質倍率 合格者最低点 受験者 合格者 実質倍率 合格者最低点
2024 63 21(27) 3.00 217/300(72.3%) 183 79(57) 2.32 175/300(58.3%) 109 39(29) 2.79 133/200(66.5%) 50 9(6) 5.56 166/200(83.0%)
2025 66 17(30) 3.88 211/300(70.3%) 202 80(70) 2.53 220/300(73.3%) 94 23(41) 4.09 157/200(78.5%) 51 5(31) 10.20 167/200(83.5%)

※横スクロールでご覧ください。

メインストリーム Ⅰ期午前 Ⅰ期午後 Ⅱ期 Ⅲ期
年 度 受験者 合格者 実質倍率 合格者最低点 受験者 合格者 実質倍率 合格者最低点 受験者 合格者 実質倍率 合格者最低点 受験者 合格者 実質倍率 合格者最低点
2024 90 61 1.50 184/300(61.3%) 76 29 2.06 153/300(51.0%) 39 8 2.89 120/200(60.0%) 25 1 9.14 162/200(81.0%)
2025 73 50 1.51 171/300(57.0%) 67 22 2.04 192/300(64.0%) 31 4 2.24 133/200(66.5%) 22 5 1.86 132/200(66.0%)

得点に関しては、Ⅰ期午前aのみのデータ

フロントランナー合格者( )内は、メインストリームへの回し合格者数

Ⅰ期午後、Ⅱ期またはⅢ期のメインストリーム受験者で、Ⅰ期午前を受験した者については、当日の得点の10%を加算し合否判定を行う

実質倍率は学校発表のものをそのまま表記

※横スクロールでご覧ください。

中学入試分析会資料 2025年度版受付中!

当サイトに掲載している分析レポートを無料で進呈!
進学館の分析動画と入試の解答・解説がダウンロードできる特典もございます。この機会にぜひお申し込みください。
※進学館の講座を受講いただいている方は申込不要です(オンライン講座のみ受講生は除く)。

お申し込みはこちら

中学受験入試分析レポート&入試問題・解説集
中学受験専門 進学塾「進学館」のオンライン入塾説明会
中学入学前に必読の一冊!「中学受験後に気になる99のこと」2021-入学前~夏休みまで-