2024年度の入試は昨年度に比べ、志願者・受験者が約30名少なくなり、実質競争率も昨年度の2.4倍から2.2倍へと若干低くなった。
また、社会以外の3科目で受験者平均点が昨年度に比べて4~5点ほど高くなっており、数字の上では昨年度よりも解きやすい問題となっていた。ただし、倍率が下がったことや平均点が上がったことは、受験生にとってしっかりと点数をとらなければならない入試になったということであり、むしろ注意深く点数をとりきることが必要な入試だった。
例年そうではあるが、算数では受験者平均点と合格者平均点の差が13.3点と他の科目に比べて大きく離れており、算数の得点力が合格の鍵となっている。
大問は5題で、大問1は計算1問と文章題2問・図形2問の小問集合となっており、計算以外の問題は考え方を書くことで部分点がもらえる可能性がある。
また、大問2~5のうち、1問は考え方を書いたり作図をしたりする問題となっており、ここでも部分点の可能性がある。
もともと図形分野からの出題割合が多い学校であるが、今年は、全体に対する図形問題の割合が例年半分程度なのに対して3分の2の出題、出題数だと昨年の2倍の出題数となり、その傾向がより顕著なものとなった。図形分野の知識とテクニックの習得に加え、作図して考えることも習慣化し、図形問題を解く力をできるだけ高めておきたい。
今年度も例年通りの問題構成であった。大問1は文学的文章、大問2は論理的文章、大問3は知識問題である。大問1・2では、記号問題や記述問題を中心に、漢字の問題、語句の意味を問う問題などが出題される。
難度が高いのは記述問題で、制限字数100字前後の記述字数の多い問題が出題される。人物の心情や文章の要点などを読み取り、内容をまとめてわかりやすく表現する力が求められる。
大問3は、今年度は三字熟語の問題であった。知識問題は、ことわざ、慣用句、対義語、四字熟語など、さまざまな分野から出題されるので、かたよることなく知識を身につけておく必要がある。
例年通り大問は2題で、大問1が地理、大問2が歴史、そして公民やくらしに関わる問題が途中で出題されていくという形式であった。
問題数はここ数年減少傾向にあるが、グラフや表の読み取りや計算を必要とする手間のかかる問題が多く出題されているので、受験生の負担感は例年通りだったと推測できる。
また、知識があればスムーズに解けるという問題も出題されているが、いずれも学校教科書や時事的なニュース用語からの出題で難易度が高い。
このような知識問題は例年みられる傾向であるので、学校の勉強や時事的な話題も大事に勉強していってほしい。
Ⅰ型(4科目型) | Ⅱ型(3科目型) | |
---|---|---|
募集人数 | 190名 | |
志願者数 | 518名 | 189名 |
受験者数 | 495名 | 166名 |
合格者数 | 228名 | 72名 |
実質倍率 | 2.20倍 |
算 数 | 国 語 | 理 科 | 社 会 | 計 | |
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受験者平均点 | 66.0/120 | 70.6/120 | 56.5/80 | 51.6/80 | 246.40/400 |
合格者平均点 | 79.3/120 | 75.9/120 | 61.6/80 | 55.8/80 | 275.40/400 |
合格者最高点 | 115/120 | 103/120 | 78/80 | 74/80 | 333.75/400 |
合格者最低点 | 41/120 | 45/120 | 43/80 | 26/80 | 252.50/400 |
募集人数 | 190名 |
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選抜方法 | 算・国・理(・社) |
出願期間 | 12/14~12/22 |
試験日程 | 1/13 |
合格発表 | 1/14(Web) |
算 数 | 120点(60分) |
---|---|
国 語 | 120点(60分) |
理 科 | 80点(40分) |
社 会 | 80点(40分) |
合 計 | 400点(200分) |
高校卒業生:198名
東京大(現役) | 16 (9) |
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京都大(現役) | 56(45) |
大阪大(現役) | 11 (7) |
神戸大(現役) | 15 (9) |
大阪公立大(現役) | 20(15) |
早稲田大(現役) | 15 (6) |
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慶應義塾大(現役) | 23 (7) |
関西学院大(現役) | 25 (9) |
関西大(現役) | 24 (7) |
同志社大(現役) | 61(21) |
立命館大(現役) | 41(10) |
年 度 | Ⅰ型 | Ⅱ型 | 実質倍率 | 合格者最低点 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
受験者 | 合格者 | 受験者 | 合格者 | |||
2020 | 527 | 240 | 168 | 57 | 2.34 | 262.00/400(65.5%) |
2021 | 559 | 222 | 144 | 56 | 2.53 | 285.00/400(71.3%) |
2022 | 513 | 209 | 172 | 69 | 2.46 | 256.00/400(64.0%) |
2023 | 517 | 222 | 178 | 64 | 2.43 | 239.00/400(59.8%) |
2024 | 495 | 228 | 166 | 72 | 2.20 | 252.50/400(63.1%) |
※
Ⅰ型受験:①4科目合計点 ②算数・国語・理科の合計点×1.25 ③算数・国語・社会の合計点×1.25
上記①~③の最高点を受験者の成績とする
Ⅱ型受験:算数・国語・理科の合計点×1.25を受験者の成績とする
以上400点満点で判定します(Ⅰ型・Ⅱ型の区別はしません)
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