A方式の実質倍率は、男子1.43倍(昨年1.50倍)・女子1.72倍(昨年1.70倍)となり、女子はここ5年間で最高倍率となったのに対し、男子は昨年まで続いていた伸びが若干鈍化した結果となった。B方式の実質倍率は、男子3.31倍(昨年2.80倍)、女子3.33倍(昨年3.53倍)となり、昨年に続き狭き門となった。
ボーダーラインは、A方式が男子60%・女子65.2%であったのに対し、B方式は男女ともに79%と高水準になっており、B方式では難易度の低い問題の取りこぼしにより合格可能性が格段に低くなることから、啓明学院が第一志望ならばA方式で確実に合格しておきたい。そのためには、各科目の対策はもちろんのこと、保護者同伴面接の練習にも時間を費やし、「平常心」をもって受験に挑むことができるかが重要となる。
出題分野は、A方式が計算・小問集合・水量とグラフ・図形の移動・立体、B方式が計算・和と差の文章題・場合の数・速さとグラフ・平面図形・回転体であった。
いずれも過去の入試と同じ傾向であり、特に数年連続で出題されていた「円」の移動(転がし)問題が今年度は復活したのが特徴。円や三角形など移動する図形は異なっても「図形の移動問題」自体は毎年出題されているため、対策が必須である。また、速さや水量の「グラフを完成させる問題」も毎年出題されており、正確にグラフを読み取る力を磨いておくとともに、丁寧にグラフを書く習慣を身につけておきたい。
A方式B方式ともに、解答用紙に式を書く問題が多くを占めており、普段の学習から式や図などの解き方を残すことを意識していきたい。啓明学院の算数は、頻出単元の基礎的な問題が多いため、普段から基礎を徹底して仕上げておくことと、同傾向の問題が毎年出題されるため、繰り返しの過去問演習が効果的な対策となる。
例年通り、A方式・B方式ともに物語文が1題出題された。両方式とも昨年度と比べて文章量が増えているので、文章をすばやく読み進めることを普段から心がけておきたい。
設問の種類は記号問題よりも抜き出し問題や記述問題の割合が多かった。記述問題においては、字数指定のないものが出題されるので、解答欄の大きさから書く分量を推測し、設問文から何を問われているのかを的確に判断する能力が求められる。また、知識問題については、B方式では類義語と文法に関する正誤問題が独立した大問として出題されているので、十分な語彙力を身につけておく必要がある。
啓明学院の特徴である、自分の意見を書く自由作文については、A方式では50字、B方式では400字のものが出題された。A方式の作文では自分の考えを理由とともに簡潔にまとめる練習が必要であり、B方式の作文では原稿用紙の使い方を確認したうえで、自分の考えが相手に伝わるように記述する練習をしておかなければならない。
男子
A方式 | B方式 | |
---|---|---|
募集人数 | 65名 | 15名 |
志願者数 | 109名 | 159名 |
受験者数 | 96名 | 53名 |
合格者数 | 67名 | 16名 |
実質倍率 | 1.43倍 | 3.31倍 |
A方式 | B方式 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
算 数 | 国 語 | 理 科 | 計 | 算 数 | 国 語 | 計 | |
受験者平均点 | -/100 | -/100 | -/50 | -/250 | -/100 | -/100 | -/200 |
合格者平均点 | -/100 | -/100 | -/50 | -/250 | -/100 | -/100 | -/200 |
受験者最高点 | 100/100 | 93/100 | 43/50 | 209/250 | 100/100 | 92/100 | 186/200 |
合格者最低点 | -/100 | -/100 | -/50 | 150/250 | -/100 | -/100 | 158/200 |
女子
A方式 | B方式 | |
---|---|---|
募集人数 | 65名 | 15名 |
志願者数 | 149名 | 174名 |
受験者数 | 141名 | 60名 |
合格者数 | 82名 | 18名 |
実質倍率 | 1.72倍 | 3.33倍 |
A方式 | B方式 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
算 数 | 国 語 | 理 科 | 計 | 算 数 | 国 語 | 計 | |
受験者平均点 | -/100 | -/100 | -/50 | -/250 | -/100 | -/100 | -/200 |
合格者平均点 | -/100 | -/100 | -/50 | -/250 | -/100 | -/100 | -/200 |
受験者最高点 | 92/100 | 97/100 | 47/50 | 210/250 | 100/100 | 93/100 | 190/200 |
合格者最低点 | -/100 | -/100 | -/50 | 163/250 | -/100 | -/100 | 158/200 |
A方式 | B方式 | |
---|---|---|
募集人数 | 130名 | 30名 |
選抜方法 | 算・国・理・面接 | 算・国(作文含む)・面接 |
出願期間 | 11/27~1/3 | |
試験日程 | 1/13 | 1/15 |
合格発表 | 1/14(掲示・Web) | 1/16(掲示・Web) |
A方式 | B方式 | |
---|---|---|
算 数 | 100点(50分) | 100点(60分) |
国 語 | 100点(50分) | 100点(60分) |
理 科 | 50点(30分) | ― |
合 計 | 250点(130分) | 200点(120分) |
高校卒業生:251名
商学部 | 35 | 神学部 | 0 |
---|---|---|---|
経済学部 | 36 | 理学部 | 3 |
法学部 | 27 | 工学部 | 7 |
社会学部 | 35 | 国際学部 | 17 |
総合政策学部 | 12 | 文学部 | 22 |
人間福祉学部 | 16 | 教育学部 | 7 |
生命環境学部 | 6 | 建築学部 | 7 |
合計 | 230 |
立命館大(現役) | 1(1) |
---|
年度 | A方式 | B方式 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
受験者 | 合格者 | 実質倍率 | 合格者最低点 | 受験者 | 合格者 | 実質倍率 | 合格者最低点 | ||
男子 | 2020 | 101 | 76 | 1.33 | 149/250(59.6%) | 46 | 15 | 3.07 | 135/200(67.5%) |
2021 | 87 | 61 | 1.43 | 141/250(56.4%) | 48 | 16 | 3.00 | 147/200(73.5%) | |
2022 | 109 | 75 | 1.45 | 157/250(62.8%) | 72 | 15 | 4.80 | 162/200(81.0%) | |
2023 | 105 | 70 | 1.50 | 152/250(60.8%) | 42 | 15 | 2.80 | 139/200(69.5%) | |
2024 | 96 | 67 | 1.43 | 150/250(60.0%) | 53 | 16 | 3.31 | 158/200(79.0%) | |
女子 | 2020 | 119 | 78 | 1.53 | 162/250(64.8%) | 56 | 15 | 3.73 | 147/200(73.5%) |
2021 | 149 | 89 | 1.67 | 156/250(62.4%) | 89 | 21 | 4.24 | 168/200(84.0%) | |
2022 | 116 | 82 | 1.41 | 168/250(67.2%) | 60 | 15 | 4.00 | 157/200(78.5%) | |
2023 | 150 | 88 | 1.70 | 164/250(65.6%) | 53 | 15 | 3.53 | 147/200(73.5%) | |
2024 | 141 | 82 | 1.72 | 163/250(65.2%) | 60 | 18 | 3.33 | 158/200(79.0%) |
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