神戸大学附属中等教育学校 入試分析 2025年度

2025年度の一般適性検査は、昨年度に引き続き神戸大学鶴甲第1キャンパスで実施された。今年度の大きな変更点として、検査曜日が水曜日→月曜日へと2日前倒しされたことが挙げられる。検査の実施状況としては、志願者数は974人 → 781人と大きく減少したが、受検者数は661人 → 685人、合格者数は185人 → 200人と増加した。
この変化には、月曜日実施により灘中との併願がしづらくなったこと、甲陽学院や神戸女学院の合格発表前の検査となったことなど、最難関私立中受験生の動向が影響していると推察される。
一方、検査内容について見ると、条件整理に関する問題が多く出された数理探究、高度な思考力・読解力が求められた言語表現、資料読み取り問題や記述問題が目立つ自然環境・市民社会と、「KUらしさ」は健在である。各科目の土台強化と併せて、私立中の問題とは一線を画した、良質の問題を用いたトレーニングが必須である。

神戸大学附属中等教育学校
数理探究の出題傾向・対策

例年通り大問4題の構成であった。今年度は理由説明問題が出題されなかったが、考え方は要求されるので、途中過程をきちんと書く練習はしておかなくてはならない。大問1は今年も5題の小問集合で、ここでしっかりと得点できるように基礎力を鍛えておきたい。大問2は時計に関する問題で、正確な処理能力が試される出題であった。大問3は信号と横断歩道を題材にした問題で、調べる力が要求された。最後の大問4は診察券番号の仕組みを考えさせる約束記号と呼ばれるジャンルの出題であった。どの問題も、設定されている決まりを正確に読み取る能力が問われており、長文形式の問題慣れが必須である。

神戸大学附属中等教育学校 数理探究分野別出題バランス
中学受験専門 進学塾「進学館」の冬期講習2021

神戸大学附属中等教育学校
言語表現の出題傾向・対策

今年度は、大問1が論説文、大問2が物語文、大問3が随筆文という構成であり、物語文が4年ぶりに出題された。大問4では、故事成語と漢字パズルの問題が出題された。自分の実生活の中から具体例を見つけ説明する問題、物語の主人公の行動を予想し説明する問題、「棒」という語を使ったことわざや慣用句を用いて短文を自分で作る問題など、見つける力・調べる力・まとめる力・発表する力を意識した特有の問題が出ている。文章と設問の条件をよく読んで、自分の言葉で記述する問題が全体的に多い。語彙力と記述力は必須で、初見の問題への対応力や発想力などもしっかり身に付けておきたい。

神戸大学附属中等教育学校 言語表現分野別出題バランス

どの分野にも分類できないものを、その他と扱っています。

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自然環境の出題傾向・対策

  1. 出題内容
    大問数は計3題で、例年通り大問1は市民社会との共通問題だった。大問2では生物と天体、大問3では生物が出題された。昨年同様、大問2では計算問題と時事問題が出題された。
  2. 昨年までとの比較
    資料や表、グラフなどの読み取り問題と文章記述問題は例年通り多かった。今年も生物の出題が多く、物理と化学の出題がなかった。
  3. 対策
    教科書に掲載されている理科の知識は完璧に身につけたい。その上で、資料や表などの読み取り問題や記述問題に日頃から触れておく必要がある。また、桁数の多い数値計算は頻出なので、十分練習をしておきたい。
神戸大学附属中等教育学校 自然環境分野別出題バランス

どの分野にも分類できないものを、その他と扱っています。

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市民社会の出題傾向・対策

大問1は「水」を題材とした理社共通問題。「見つける力」に加え、理科的な素養も求められた。大問2は「生物多様性」に関連した地理の問題。昨年度の「鉄道唱歌」に引き続き、「GⅠ保護制度」に登録すべき兵庫県の産品を答えるという創作系の出題が見られた。大問3は「自然と歴史との関わり」。素直な知識問題の他、グラフ・画像資料と絡めて考える問題もあった。大問4は「路面電車」をテーマとした会話文問題。出題者の意図を汲み取り、設問に沿った答えを記述できたかがポイントとなった。小問数は22問と昨年度より2問減少したが、初見資料や斬新な設定の問題が目立つ。特化した対策が必須である。

神戸大学附属中等教育学校 市民社会分野別出題バランス

どの分野にも分類できないものを、その他と扱っています。

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神戸大学附属中等教育学校
入試結果:2025年度

男子

自然環境 市民社会
募集人数 男女あわせて120名
志願者数 346名 24名
受検者数 293名 21名
合格者数 103名 2名
実質倍率 2.84倍 10.50倍
数理探究 言語表現 自然環境 市民社会 総合点
受検者平均点 63.7/100 51.1/100 59.4/100 52.7/100 213.4/340
合格者平均点 76.8/100 60.8/100 69.0/100 64.0/100 246.0/340
受検者最高点 95/100 81/100 93/100 68/100 285/340
合格者最低点 -/100 -/100 -/100 -/100 225/340

総合点は検査合計に学びの報告書を加えた値です。

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女子

自然環境 市民社会
募集人数 男女あわせて120名
志願者数 288名 123名
受検者数 258名 113名
合格者数 63名 32名
実質倍率 4.10倍 3.53倍
数理探究 言語表現 自然環境 市民社会 総合点
受検者平均点 59.9/100 53.0/100 58.2/100 57.6/100 210.6/340
合格者平均点 74.4/100 63.9/100 69.2/100 67.3/100 246.7/340
受検者最高点 100/100 85/100 82/100 83/100 290/340
合格者最低点 -/100 -/100 -/100 -/100 232/340

総合点は検査合計に学びの報告書を加えた値です。

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神戸大学附属中等教育学校
検査要項:2025年度

募集人数 男女あわせて120名
選抜方法 数理探究・言語表現・自然環境or市民社会・学びの報告書
出願期間 12/7~12/16
検査日程 1/20
合格発表 1/23(Web)
数理探究 100点(50分)
言語表現 100点(50分)
自然環境 100点(50分)
市民社会 100点(50分)
学びの報告書 40点
総合点 340点(150分)

自然環境・市民社会選択制

神戸大学附属中等教育学校
大学合格実績:2024年度

高校卒業生:105名

国公立大学

東京大(現役) 4(2)
京都大(現役) 7(5)
大阪大(現役) 15(14)
神戸大(現役) 18(11)
大阪公立大(現役) 5(1)

私立大学

早稲田大(現役) 3(3)
慶應義塾大(現役) 4(1)
関西学院大(現役) 41(27)
関西大(現役) 16(8)
同志社大(現役) 18(8)
立命館大(現役) 27(8)

神戸大学附属中等教育学校
過去5年間のデータ

年 度 選択科目 男 子 女 子
受検者 合格者 実質倍率 合格者最低点 受検者 合格者 実質倍率 合格者最低点
2021 自然環境 185 67 2.76 256/360(71.1%) 282 56 5.04 267/360(74.2%)
市民社会 24 4 6.00 116 39 2.97
2022 自然環境 257 59 4.36 229/340(67.4%) 241 53 4.55 237/340(69.7%)
市民社会 22 2 11.00 104 31 3.35
2023 自然環境 298 57 5.23 250/340(73.5%) 208 35 5.94 249/340(73.2%)
市民社会 35 4 8.75 76 22 3.45
2024 自然環境 331 97 3.41 246/340(72.4%) 219 59 3.71 246/340(72.4%)
市民社会 26 3 8.67 85 26 3.27
2025 自然環境 293 103 2.84 225/340(66.2%) 258 63 4.10 232/340(68.2%)
市民社会 21 2 10.50 113 32 3.53

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