男女の競争倍率は近い数値であるが、合格者最低点はやはり女子の方が高く、A日程では19点、B日程では35点もの差がついた。
ただ、この問題は男女別の募集枠が2026年度入試から撤廃されることにより解消される。入学者の男女比率がどのような結果になるのか注目される。募集人数を見ると非常に狭き門に感じるB日程であるが、実際は合格が多めに出されている。
特にA・B両日程に挑む受験生にとっては決して無理な戦いではない。男女共学となった2012年度も、入試が1日に集約された2020年度も、入試問題自体に大きな変化はなかった。
「変わらない入試」ゆえに、他の学校よりもはるかに過去問の対策が重要だと言えるだろう。
2020年度の入試よりA・B日程ともに時間は60分、配点は200点となったが、問題の形式はそれ以前とも変わっていない。
大問1は計算が4題、大問2は一行問題が5題、大問3~6では途中の式や考え方も書き残すよう指示がある。
問題用紙は1枚で、計算を書き込むようなスペースはほとんどない。その代わりに計算用紙を1枚配布される。
17年連続で出題されている「グラフを読み取る問題」は今年、A・B両日程で主役級の存在感を放ちつつ出題された。
図形の問題も毎年出題されるが、今年は「平面図形」と「立体図形」がバランスよく共存する形が両方の日程で見られた。
また、珍しく「場合の数」が出題されなかったことや、「規則性の問題」が多めに出題されたことが特徴的であった。
大問3~6で書き表した式などは、正解しなくとも部分点につながる可能性があるので、限られたスペースでもコンパクトな字でしっかり書き、自分の考えをうまく採点者に伝える意識が重要である。
A・B日程ともに文章題2題が出題された。A日程では説明文と、近年あまり見られなかった随筆文が出題され、B日程では論説文と物語文が1題ずつ出題された。例年通り設問は記述問題中心の構成であり、求められる字数も多いが、「できるだけ文中のことばを使って答えなさい」という条件の出題が多い。
この形式の問題では自分で言葉を考えて記述する能力よりも、文章中より答えの根拠となる部分を速やかに探し出し、その部分を正確に抜き出しつつ、語と語のつながりを意識して書き上げる能力が求められる。
また漢字・語句・文法等の知識問題についても出題されており、特に漢字の書き取りに関して、A日程では16問、B日程では18問と今年度も数多く出題されているため、日頃の学習を怠ることなく、確実に得点できるようにしておきたい。
関西学院合格のためには、記述問題への対応力をつけ、語彙力を高めることが必要である。過去問を扱った学習を入念に行い、問題の傾向をつかむことが対策として望ましい。
男子
A日程 | B日程 | |
---|---|---|
募集人数 | 65名 | 25名 |
志願者数 | 146名 | 196名 |
受験者数 | 140名 | 145名 |
合格者数 | 75名 | 58名 |
実質倍率 | 1.87倍 | 2.50倍 |
A日程 | B日程 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
算数 | 国語 | 理科 | 計 | 算数 | 国語 | 計 | |
受験者平均点 | 114/200 | 136/200 | 60/100 | 310/500 | 101/200 | 156/200 | 261/400 |
合格者平均点 | -/200 | -/200 | -/100 | -/500 | -/200 | -/200 | -/400 |
受験者最高点 | 194/200 | 189/200 | 89/100 | 442/500 | 196/200 | 192/200 | 381/400 |
合格者最低点 | -/200 | -/200 | -/100 | 313/500 | -/200 | -/200 | 272/400 |
女子
A日程 | B日程 | |
---|---|---|
募集人数 | 35名 | 15名 |
志願者数 | 105名 | 193名 |
受験者数 | 99名 | 151名 |
合格者数 | 52名 | 58名 |
実質倍率 | 1.90倍 | 2.60倍 |
A日程 | B日程 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
算数 | 国語 | 理科 | 計 | 算数 | 国語 | 計 | |
受験者平均点 | 120/200 | 153/200 | 62/100 | 335/500 | 118/200 | 169/200 | 290/400 |
合格者平均点 | -/200 | -/200 | -/100 | -/500 | -/200 | -/200 | -/400 |
受験者最高点 | 194/200 | 187/200 | 90/100 | 446/500 | 196/200 | 198/200 | 384/400 |
合格者最低点 | -/200 | -/200 | -/100 | 332/500 | -/200 | -/200 | 307/400 |
A日程 | B日程 | ||
---|---|---|---|
募集人数 | 男子 | 65名 | 25名 |
女子 | 35名 | 15名 | |
選抜方法 | 算・国・理・面接 | 算・国 | |
出願期間 | 12/4 ~ 1/8 | ||
試験日程 | 1/18 | 1/21 | |
合格発表 | 1/19(Web) | 1/22(Web) |
A日程 | B日程 | |
---|---|---|
算 数 | 200点(60分) | 200点(60分) |
国 語 | 200点(60分) | 200点(60分) |
理 科 | 100点(45分) | ― |
合 計 | 500点(165分) | 400点(120分) |
両日程に出願し受験した場合、B日程に10点加算
高校卒業生:378名
商学部 | 75 | 理学部 | 0 | 生命環境学部 | 2 |
---|---|---|---|---|---|
経済学部 | 68 | 工学部 | 12 | 建築学部 | 8 |
法学部 | 30 | 国際学部 | 25 | 社会学部 | 50 |
文学部 | 25 | 総合政策学部 | 13 | 人間福祉学部 | 20 |
神学部 | 0 | 教育学部 | 19 | 合計 | 347 |
年度 | 男子 | 女子 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
受験者 | 合格者 | 実質倍率 | 合格者最低点 | 受験者 | 合格者 | 実質倍率 | 合格者最低点 | ||
2023 | A日程 | 150 | 75 | 2.00 | 348/500(69.6%) | 87 | 46 | 1.89 | 362/500(72.4%) |
B日程 | 157 | 46 | 3.41 | 312/400(78.0%) | 123 | 43 | 2.86 | 318/400(79.5%) | |
2024 | A日程 | 142 | 70 | 2.03 | 324/500(64.8%) | 81 | 47 | 1.72 | 349/500(69.8%) |
B日程 | 170 | 57 | 2.98 | 280/400(70.0%) | 119 | 65 | 1.83 | 288/400(72.0%) | |
2025 | A日程 | 140 | 75 | 1.87 | 313/500(62.6%) | 99 | 52 | 1.90 | 332/500(66.4%) |
B日程 | 145 | 58 | 2.50 | 272/400(68.0%) | 151 | 58 | 2.60 | 307/400(76.8%) |
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