コロナ前の水準に戻った昨年度と比べると受験者数は736名(昨年比+6名)で大きな変化はなかった。地域別の志願者数の変化を見てみると、東京・神奈川は合わせて22名増加、埼玉・愛知は合わせて12名減少、兵庫は3名増加、大阪は14名減少した。志願者数に占める合格者数の割合は、東京が約10%減少、京都と大阪がそれぞれ約8%増加したことが目立った変化であった。各教科の合格者平均点は、国語は両日とも昨年よりも数点高く、算数は両日とも約72点と偏りのない結果となった。理科は過去5年の中で最も高い77.6点となり、大きく平均点が下がった科目は無かった。どの科目も易問と難問の差がはっきりと表れ、得点できる問題を確実に合わせる力が必要な入試であったと感じる。
大問数は1日目が12題、2日目が5題と例年通りの形式となった。
。1日目は①②という小問設定がある問題が1つだけであった。内容は易しいものと難しいものの差がはっきりしており、受験者平均点と合格者平均点の差は、例年であれば15点強だが、今年は12点まで縮小した。文章題は、典型的な易しい問題と、解法が定まりにくい問題に分かれていた。図形は、立体は近年の中では最も難度が低かったが、平面は、ひらめきを要する内容となっており、現場での対応が問われた。
2日目はいずれの問題も(1)は大変解きやすく、(2)以降で差がつく内容となっていた。単元は数・割合・立体図形・平面図形・場合の数とバランスよく出題されていた。全体的に易しい問題と難しい問題がはっきりしており、正解させるべき問題に注力しやすい試験となった。対策としては、典型問題を確実に正解させる高い処理力と、複雑な設定の問題を解きほぐす論理の力と思考力を獲得すべく、多くの練習と試行錯誤が必要である。
1日目…語句問題を中心とした文章題1題・語句などに関する大問5題。
2日目…文章題2題・詩1題。1日目では、「ート」で終わる外来語、「目」を使った慣用句、かなづかいの問題、植物の季語を用いた俳句、和語と漢語についての問題、漢字パズルなどが出題された。
1日目では文脈や言葉の意味から、成句を思い浮かべられるように練習しておく必要がある。また、漢字パズルでは条件に従いながらも、その条件を上手に活用して解答を考えるという発想も求められる。
2日目は大問1では論説文、大問2では随筆文が出題された。大問2は大人としての感性、人生経験が必要とされる難解なものであり、事実としての内容はとらえられても、筆者の思いをきちんと理解するのはかなり難しい文章だった。大問3では例年通り詩が出題され、比喩を中心とした難解な記述問題が多かった。今年は2日目で初めて100字以内の記述問題が出題された。令和に入ってから長文記述が増えてきているので、その対策が必要となる。
①出題内容
例年通り、物理・化学が2題ずつ、生物・地学が1題ずつの計6題の出題であった。
②昨年までとの比較
受験者平均点は過去5年間で最も高い70.5点だった。要因としては各分野で一度は目にしたことがある問題や読み込みに時間がかからない問題が出題されたことで時間の余裕ができた点が挙げられる。物理では灘らしい出題が見られた。消しゴムに力をかけたときの体積変化を近似計算させる問題やふりこの糸のたるみまでを考えて、おもりの道筋を作図させる問題などその場での対応力を求められる問題が出題された。
③対策
最難関校に必要な幅広い知識や計算処理力を身につけておくことは必須である。さらに題意をふまえてしっかりと考えることが必要な問題がここ数年続いているので、初見の問題に対するアプローチの仕方や考え方の構築は予想問題や過去問などで練習していく必要がある。
募集人数 | 180名 |
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志願者数 | 747名 |
受験者数 | 736名 |
合格者数 | 265名 |
実質倍率 | 2.78倍 |
算数1日目 | 算数2日目 | 国語1日目 | 国語2日目 | 理科 | 計 | |
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受験者平均点 | 60.7/100 | 59.2/100 | 54.7/80 | 66.9/120 | 70.5/100 | 311.9/500 |
合格者平均点 | 72.7/100 | 72.2/100 | 60.5/80 | 72.9/120 | 77.6/100 | 355.8/500 |
受験者最高点 | 100/100 | 100/100 | 78/80 | 93/120 | 97/100 | 451/500 |
合格者最低点 | -/100 | -/100 | -/80 | -/120 | -/100 | 330/500 |
募集人数 | 180名 | |||||||
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選抜方法 | 算・国・理 | |||||||
出願期間 | 12/18 ~ 1/4 | |||||||
試験日程 | 1/13・1/14 | |||||||
合格発表 | 1/16(Web) |
1日目 | 2日目 | |
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算 数 | 100点(60分) | 100点(60分) |
国 語 | 80点(40分) | 120点(70分) |
理 科 | 100点(60分) | ― |
合 計 | 500点(290分) |
高校卒業生:220名
東京大(現役) | 86(66) |
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京都大(現役) | 45(32) |
大阪大(現役) | 12 (9) |
神戸大(現役) | 6 (4) |
大阪公立大(現役) | 11 (4) |
早稲田大(現役) | 35 (8) |
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慶應義塾大(現役) | 20 (4) |
関西学院大(現役) | 10 (2) |
関西大(現役) | 4 (1) |
同志社大(現役) | 21 (6) |
立命館大(現役) | 14 (3) |
年 度 | 受験者 | 合格者 | 実質倍率 | 合格者最低点 |
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2020 | 762 | 256 | 2.98 | 320/500(64.0%) |
2021 | 650 | 227 | 2.86 | 341/500(68.2%) |
2022 | 623 | 255 | 2.44 | 297/500(59.4%) |
2023 | 730 | 281 | 2.60 | 316/500(63.2%) |
2024 | 736 | 265 | 2.78 | 330/500(66.0%) |
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