A日程の受験者数は2年連続で微減(8減・6減)となる269名だったが、定員変更(5名減)により合格者数も減少したため受験倍率はわずかに上昇(1.70倍 → 1.75倍)した。平均点を昨年と比べると、国語と理科で上昇したが算数は大きく下がったため、50%という低い合格者最低点になった。問題数や形式の変化が大きかった算数・理科では、国語よりも受験者と合格者の平均点差が昨年と比べて拡大している。B日程は加点制度(A日程受験者に10点)が設定され、定員が40名から50名に増加した。受験者数は2年連続で300名を超え、倍率は最近5 年で最も高かった。合格ライン(加点含む)は昨年同様50%を下回った。国語に比べて算数で得点差が開きやすいことはA日程と変わりない。
A日程…1番は計算、2~5番は答えのみ記入、6~8番は途中の式や考え方を書く大問形式。例年との大きな違いは1枚目の問題が1つ少なくなって150点満点から120点満点となった点、2枚目に5年間続いていた記述問題がなくなった点。問題数が減った影響で1問あたりの配点の割合が高くなったこと、さっと方針が立つ問題が少なかったことにより、受験者平均点が48.4点(得点率40.3%)と低い水準となった。計算問題を確実に正解する力と、テキストレベルから少し難易度が上がった問題への対応と、取捨選択の判断が合格にとって重要な要素である。B日程…形式はA日程と同じように変更があったが、受験者平均点は61.4点(得点率51.2%)。難度が大きく上がったわけではないので、受験者のレベルが上がった結果と考えられる。両日程ともに、2枚目の配点の割合が高くなっているので、大問形式で条件の複雑な問題への対応力を磨くことが今まで以上に必要になった入試であった。
両日程に共通しているのは、論理的文章・文学的文章・知識問題の大問三題で構成されていること、様々な形式の記述問題が数多く出題されていることである。中でも条件文形式は定番であり、与えられた条件文から書くべき内容をおさえ、文のつながりを意識しながら解答をまとめあげる練習が必要である。
A日程:論理的文章は、同じ出典の違う箇所が二部構成で出題されるという形式であった。記述問題は、制限字数の最も多い問題でも60字以内にとどまり、全体的に記述量は減少している。漢字の書き取り問題はここ数年同様、難しい熟語が出題されたが、昨年度よりは若干簡単になった印象。したがって、記述問題でいかに得点できたかが勝負の分かれ目だったと言える。
B日程:記述問題の字数がA日程よりボリュームアップされていること、知識問題の出題分野が毎年変更されていること、いずれも例年と同様である。B日程の知識問題に対応するためには、語彙力を養う習慣が重要である。
募集人数 | 140名 |
---|---|
志願者数 | 281名 |
受験者数 | 269名 |
合格者数 | 154名 |
実質倍率 | 1.75倍 |
算 数 | 国 語 | 理 科 | 計 | |
---|---|---|---|---|
受験者平均点 | 48.4/120 | 66.7/120 | 52.3/80 | 167.3/320 |
合格者平均点 | 59.9/120 | 72.4/120 | 58.6/80 | 190.9/320 |
受験者最高点 | 120/120 | 105/120 | 78/80 | 260/320 |
合格者最低点 | -/120 | -/120 | -/80 | 162/320 |
募集人数 | 50名 |
---|---|
志願者数 | 633名 |
受験者数 | 307名 |
合格者数 | 175名 |
実質倍率 | 1.75倍 |
算 数 | 国 語 | 計 | |
---|---|---|---|
受験者平均点 | 61.4/120 | 58.4/120 | 119.8/240 |
合格者平均点 | 82.8/120 | 67.8/120 | 150.6/240 |
受験者最高点 | 120/120 | 102/120 | 214/240 |
合格者最低点 | -/120 | -/120 | 111/240 |
A日程 | B日程 | |
---|---|---|
募集人数 | 140名 | 50名 |
選抜方法 | 算・国・理 | 算・国 |
出願期間 | 12/20 ~ 1/10 | |
試験日程 | 1/18 | 1/21 |
合格発表 | 1/19(Web) | 1/22(Web) |
A日程 | B日程 | |
---|---|---|
算 数 | 120点(60分) | 120点(60分) |
国 語 | 120点(60分) | 120点(60分) |
理 科 | 80点(50分) | - |
合 計 | 320点(170分) | 240点(120分) |
東京大(現役) | 4(2) |
---|---|
京都大(現役) | 11(5) |
大阪大(現役) | 11(6) |
神戸大(現役) | 17(12) |
大阪公立大(現役) | 11(6) |
早稲田大(現役) | 8(3) |
---|---|
慶應義塾大(現役) | 13(4) |
関西学院大(現役) | 20(10) |
関西大(現役) | 19(14) |
同志社大(現役) | 56(24) |
立命館大(現役) | 36(22) |
年 度 | A日程 | B日程 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
受験者 | 合格者 | 実質倍率 | 合格者最低点 | 受験者 | 合格者 | 実質倍率 | 合格者最低点 | |
2021 | 235 | 164 | 1.43 | 188/400(47.0%) | 218 | 126 | 1.73 | 180/300(60.0%) |
2022 | 253 | 163 | 1.55 | 199/400(49.8%) | 240 | 156 | 1.54 | 164/300(54.7%) |
2023 | 283 | 161 | 1.76 | 213/400(53.3%) | 294 | 174 | 1.69 | 154/300(51.3%) |
2024 | 275 | 162 | 1.70 | 224/400(56.0%) | 318 | 189 | 1.68 | 144/300(48.0%) |
2025 | 269 | 154 | 1.75 | 162/320(50.6%) | 307 | 175 | 1.75 | 111/240(46.3%) |
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