A日程の受験者数は昨年の283名からほぼ横ばいの275名、受験倍率もほぼ同じ(1.76倍→1.70倍)となった。2021年(1.43倍)、2022年(1.55倍)は低倍率だったが、人気はコロナ禍前の水準まで戻ったと考えていいだろう。
過去3年と比べて今年は国語と算数の平均点の高低が入れ替わり、難度の変化にも対応できる幅の広い学力が必要であった。難易度に関わらず、算数・理科は国語よりも得点差が大きくなる傾向にある。合格を目指すなら、一定以上の理系科目の学力が求められる。
B日程は最近4年で最も多い受験者数に関わらず、受験者平均点は最も低くなった。灘・甲陽などと併願する受験生も多く、A日程と同様に算数で大きな差がつく入試となっている。
A日程…1番は計算、2~6番は答えのみ記入、7~9番は途中の式や考え方を書く大問形式という例年通りの形式。6年目に突入した記述問題は、会話文中の空所補充と理由説明という形式で2021年度、2023年度と同じタイプであった。今後はこの形が定着すると思われる。近年の傾向として1枚目にテキストで見たことのある問題が並び、取り組み易い。2枚目が難しかった昨年度と比較して、図形の移動や規則性と経験したことがあるタイプの問題が並んでおり、記述問題の題材となった問題も読み取りやすく、受験者平均点は95.5点と昨年度より25.3点上昇した。テキストの標準的な問題の徹底が合格に欠かせない。
B日程…形式はA日程と同じだが、記述式の問題はなし。受験者平均点は75.7点。「水量変化」「立方体の切断」など、難関校で出題される王道のテーマが目立った。2枚目の問題が全て図形に関わる問題となっており、出題単元に偏りがあった。難関校を目指す上で外せない問題をしっかりと仕上げることが重要。
A日程:例年通り、論理的文章・文学的文章・漢字の書き取り問題の3題構成であった。論理的文章では入学式の祝辞が文章として出題されるというあまり見られない形式であった。記述問題中心の出題は例年通りであったが、60~80字以内の記述問題が微増し、また漢字の書き取り問題についても受験生にとっては難解だったであろう熟語が多めに出題された。受験者平均点は88.4点→76.2点、合格者平均点は96.5点→83.5点と、昨年度より難化した入試であった。
B日程:論理的文章・文学的文章・動詞の空所補充の問題が出題された。難易度は、昨年度と同様である。例年に比べ、字数指定のない記述問題の出題が増え、解答欄の大きさから書くべき要素を推察する力が必要であった。両日程に共通して、ほとんどが記述問題の出題であり、その出題形式は様々である。中でも条件文形式の記述問題は定番であり、条件文から書くべき内容をおさえ、文のつながりを意識しながら解答をまとめあげる練習が必要である。
募集人数 | 145名 |
---|---|
志願者数 | 294名 |
受験者数 | 275名 |
合格者数 | 162名 |
実質倍率 | 1.70倍 |
算 数 | 国 語 | 理 科 | 計 | |
---|---|---|---|---|
受験者平均点 | 95.5/150 | 76.2/150 | 57.6/100 | 229.3/400 |
合格者平均点 | 108.8/150 | 83.5/150 | 63.4/100 | 255.7/400 |
受験者最高点 | 145/150 | 118/150 | 86/100 | 326/400 |
合格者最低点 | -/150 | -/150 | -/100 | 224/400 |
募集人数 | 40名 |
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志願者数 | 622名 |
受験者数 | 318名 |
合格者数 | 189名 |
実質倍率 | 1.68倍 |
算 数 | 国 語 | 計 | |
---|---|---|---|
受験者平均点 | 75.7/150 | 80.1/150 | 155.8/300 |
合格者平均点 | 98.9/150 | 88.8/150 | 187.7/300 |
受験者最高点 | 150/150 | 120/150 | 265/300 |
合格者最低点 | -/150 | -/150 | 144/300 |
A日程 | B日程 | |
---|---|---|
募集人数 | 145名 | 40名 |
選抜方法 | 算・国・理 | 算・国 |
出願期間 | 12/15~1/5 | |
試験日程 | 1/13 | 1/16 |
合格発表 | 1/14(web) | 1/17(web) |
A日程 | B日程 | |
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算 数 | 150点(60分) | 150点(60分) |
国 語 | 150点(60分) | 150点(60分) |
理 科 | 100点(50分) | ― |
合 計 | 400点(170分) | 300点(120分) |
東京大(現役) | 3(3) |
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京都大(現役) | 23(17) |
大阪大(現役) | 15(9) |
神戸大(現役) | 19(15) |
大阪公立大(現役) | 11(9) |
早稲田大(現役) | 12(5) |
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慶應義塾大(現役) | 12(9) |
関西学院大(現役) | 69(57) |
関西大(現役) | 28(23) |
同志社大(現役) | 87(63) |
立命館大(現役) | 45(34) |
年 度 | A日程 | B日程 | ||||||
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受験者 | 合格者 | 実質倍率 | 合格者最低点 | 受験者 | 合格者 | 実質倍率 | 合格者最低点 | |
2020 | 309 | 168 | 1.84 | 213/400(53.3%) | 283 | 122 | 2.32 | 162/300(54.0%) |
2021 | 235 | 164 | 1.43 | 188/400(47.0%) | 218 | 126 | 1.73 | 180/300(60.0%) |
2022 | 253 | 163 | 1.55 | 199/400(49.8%) | 240 | 156 | 1.54 | 164/300(54.7%) |
2023 | 283 | 161 | 1.76 | 213/400(53.3%) | 294 | 174 | 1.69 | 154/300(51.3%) |
2024 | 275 | 162 | 1.70 | 224/400(56.0%) | 318 | 189 | 1.68 | 144/300(48.0%) |
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