最難関校として高い人気を誇っており、今年度の受験者は昨年よりも20名増加した結果、倍率は上昇した。また、算国理の3科目受験が主流である兵庫県からの受験者が増えた結果、3科型受験者の割合が増加した。
理科と社会の受験者平均点は、理科の方が3.7点低くなっているが、2年前は10点ほどの開きがあったので、例年と比較すれば点差が小さくなったと言える。国語の受験者平均点が例年と比較して5点ほど下がったが、他の教科はおおむね例年通りの平均点となった。いずれの教科も難度が高く、しっかり向き合わなければ正解させることが難しい良問が多く出題されるため、途中の解法にもこだわった、質の高い学習が必要である。
出題数が昨年の14問から16問と増加し、計算問題が3年ぶりに出題、それも2012年度以来の2題出題と復活した。
それにも関わらず、受験者平均点が昨年の49.4点から48.9点とダウンした。80点以上の受験者も昨年の7.6%から3.6%と半減し、難問に受験者が苦戦したことがうかがえる。難度が高いだけに得点できる問題を見抜く力も養いたい。
解答用紙は大問2以降、式・考え方を記入させる形式である。普段から思考過程をノートに残す必要がある。
平面図形、場合の数、立体の切断、速さ、数の性質等頻出分野を中心に、初見の問題でも今までの経験を活用し楽しみながら問題に取り組んでいくことが大切である。
今年から試験時間が10分延びて算数と同様に60分試験となった。その分、短めの文章題が1題追加され、語句の意味や読解の基本的な内容が問われた。
その他の部分は例年通りの出題で、大問1では東大寺特有の難解な漢字の書き取りが出題され、文章題は論理的文章、文学的文章が1題ずつの出題となった。東大寺の設問は非常にシンプルで、記号問題か30字~100字前後の記述問題という構成である。
合格のためには正確な読解力に加えて、選択肢を一つ一つ本文の内容と照らし合わせていく分析力と忍耐力、長文記述ではポイントとなる部分を的確につなぎ合わせ、制限時間内に書き切る記述力が求められる。
今年度の入試も例年と同じように、試験時間50分、問題数が50問で、ほとんどが記号問題というスタイルだった。
記号問題が多いが、単純に知識を問われる問題は少なく、答えを出すまでに複数の知識を必要とし、データ・グラフの分析といった思考力も必要とする問題がほとんどである。1問にかかる負担は重く、慣れていないと時間が足りなくなる可能性がある。
夏までを目途に各分野の知識量を増やし、9月以降に過去問をこなして東大寺学園スタイルに順応させていってほしい。また、時事的な社会用語や学校教科書で紹介される用語などの出題も見られるので、学校の授業やニュースも大事にしてほしい。
3科型 | 4科型 | |
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募集人数 | 200名 | |
志願者数 | 383名 | 587名 |
受験者数 | 367名 | 556名 |
合格者数 | 187名 | 221名 |
実質倍率 | 1.96倍 | 2.52倍 |
算数 | 国語 | 理科 | 社会 | ※計 | ||
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受験者平均点 | 3科型 | 56.0/100 | 54.2/100 | 63.4/100 | ― | 231.5/400 |
4科型 | 44.3/100 | 52.3/100 | 58.9/100 | 64.4/100 | 221.0/400 | |
全体 | 48.9/100 | 53.1/100 | 60.7/100 | 64.4/100 | 225.1/400 | |
合格者平均点 | 3科型 | 66.4/100 | 60.0/100 | 70.0/100 | ― | 261.8/400 |
4科型 | 56.8/100 | 59.2/100 | 66.8/100 | 70.6/100 | 254.9/400 | |
全体 | 61.2/100 | 59.6/100 | 68.3/100 | 70.6/100 | 258.1/400 | |
合格者最高点 | 3科型 | 96/100 | 82/100 | 87/100 | ― | 333.3/400 |
4科型 | 91/100 | 85/100 | 86/100 | 88/100 | 301.3/400 | |
合格者最低点 | 3科型 | 34/100 | 28/100 | 43/100 | ― | 233.3/400 |
4科型 | 16/100 | 34/100 | 45/100 | 34/100 | 233.0/400 |
4教科:4教科合計と、3教科の合計の4/3倍のうち高いほうを総合点とする。
3教科:得点(300点満点)を4/3倍して400点に換算する。
募集人数 | 200名 |
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選抜方法 | 算・国・理(・社) |
出願期間 | 12/5~12/14 |
試験日程 | 1/15 |
合格発表 | 1/17(掲示・Web) |
算数 | 100点(60分) |
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国語 | 100点(60分) |
理科 | 100点(50分) |
社会 | 100点(50分) |
合計 | 400点(220分) |
高校卒業生:212名
東京大(現役) | 18(15) |
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京都大(現役) | 64(51) |
大阪大(現役) | 9 (6) |
神戸大(現役) | 10 (4) |
大阪公立大(現役) | 12 (2) |
早稲田大(現役) | 13(4) |
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慶應義塾大(現役) | 13(4) |
関西学院大(現役) | 15(6) |
関西大(現役) | 14(5) |
同志社大(現役) | 33(8) |
立命館大(現役) | 42(10) |
年度 | 3科型 | 4科型 | ||||||
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受験者 | 合格者 | 実質倍率 | 合格者最低点 | 受験者 | 合格者 | 実質倍率 | 合格者最低点 | |
2020 | 321 | 171 | 1.88 | 250.7/400(62.7%) | 588 | 190 | 3.09 | 250/400(62.5%) |
2021 | 326 | 186 | 1.75 | 249.3/400(62.3%) | 543 | 216 | 2.51 | 249/400(62.3%) |
2022 | 331 | 160 | 2.07 | 224.0/400(56.0%) | 525 | 212 | 2.48 | 224/400(56.0%) |
2023 | 349 | 202 | 1.73 | 237.0/400(59.3%) | 554 | 207 | 2.68 | 237.0/400(59.3%) |
2024 | 367 | 187 | 1.96 | 233.3/400(58.3%) | 556 | 221 | 2.52 | 233/400(58.3%) |
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